2016年

7月

10日

読書日記「浮世絵に見る江戸の食卓」

先日、朝井まかてさんの「眩」を読んで以来

 

浮世絵と江戸の食文化についてがぜん興味がわいてきまして

というのも、その本の中で北斎の娘お栄さんは

絵ばかり描いてきて、スイカを切るのも面倒というくらいの料理嫌いということもあって

日々の食事は、出来合いの煮売り屋から、買ってきて食べているわけです

 

そもそも江戸時代というのは、

火事も多かったりしたので、煮炊きは家の外

家の前の通りには、煮売り屋さんが食べ物を売りに来てくれるので

そこから何かを買って食べるというのは、結構当たり前のことだったようなのです。

 

ちょうど一ヶ月くらい前に、NHK趣味どきっ!で

浮世絵に描かれた食べ物を見ながら

江戸の暮らしや、人々の食の嗜好など解説してくれる番組をやっていて

それがとっても面白くてずーっとみていたので、

ちょうど、それを思い出したりしたのでした。

 

そんなわけで、

NHKのテキストと

さらに、このテキストのもとになっている本も読んでみました。

 

NHK 趣味どきっ!旅したい!おいしい浮世絵」(日本放送協会)

「浮世絵に見る江戸の食卓」(林綾乃著 美術出版社)

 

浮世絵というのは、もともとは本の挿絵として書かれたのが始まりだそうですが

そこに書かれた着物の柄や半襟、帯の組み合わせ

そこに書かれた流行の食べ物

お江戸の名所など、

人々は、それを見て想像したり、思い出にしたり、手本にしたり

浮世絵って、ものすごい影響力のある情報ツールになっていくんですよね。

 

江戸時代には戦がなくなった上に

江戸城を作ったり、城下町を作ったりと、

最初の100年位は、日本の歴史の中でも大変な高度成長期で

人々の暮らしが安定し、おしゃれや娯楽やグルメに興味が行くようになったというのが

大きな理由ではあるのですが。

 

今回、番組を見て、改めて本を読み返しつつ浮世絵から江戸のグルメを見て、

へえ~と思ったことがたくさんありました

 

例えば、てんぷらの衣が

浮世絵で見るとフリッターみたいに分厚い感じ。

これは、江戸時代、まだ小麦粉の製粉技術があまり進んでいなかったから

どうしても、こんな衣になるのだそうで

時代が進むにつれた、てんぷらの衣が、今風の軽い感じになって

角がつんつん出るように変わっていくのは面白いですね。

 

また、てんぷらの下に引いた紙に、油しみがついていないところから

江戸時代のてんぷらは、すでにごま油を使って揚げていたという推測ができるのだそうで

そういう細かいところをチェックするのもすごいなあと思う一方

ごま油を使えば、油切れが良くなるのか、ということも、へえ~と思いました。

 

また、江戸前寿司も、浮世絵で見ると興味深いんです。

お寿司が現在の形になったのは江戸時代で、浮世絵に書かれているのも握りなんだけど

寿司桶の中に積み上げるようにして盛り付けられているんです。

当時は、そんな風に積み上げて盛りつけるのが一般的だったようですね。

握りなのに押し寿司みたいに、しっかり握られていたのかなと思うと、それも面白い。

 

浮世絵に書かれた、お寿司のネタがなんだかったかを、絵を見ながら推測するのも面白いのだけれど(エビ、こはだ、白魚、卵、かんぴょう)

お寿司の上に、楊枝が刺さっているのも、またおかしい。 

 

お寿司、ウナギ、てんぷら、というようなお江戸グルメは、ファストフードとして広まったから

ウナギも、てんぷらも楊枝で刺して食べているんですね。

お寿司も例外でなく、楊枝で食べていたということのようで

なんか、そういうのを細かく見ていくと、浮世絵は本当に面白いなあと思います。

 

江戸時代になってから、砂糖が庶民の口にも入るようになったそうなのですが

基本、料理の味付けは醤油と味噌で

この本で紹介されているものを、いくつか作ってみたのですが

今の感覚でいうと、ちょっとしょぱい感じ。

 

醤油が関東で作られるようになったのは、江戸に入ってからということなので

その当時、今まで食べたことのない、うまみの強い醤油の味は

江戸の人の心をわしづかみにしたんだろうなあというのを想像するのも楽しい!

 

文明が進むと、砂糖の消費量が増えるといわれているけれど

確かに、江戸時代と今の料理を比べたら、ずいぶん甘くなっていることと

甘い味が当たり前になりすぎて、逆に取りすぎに気を付けないといけなくなっている今の現状を改めて感じました。

 

そば、すし、てんぷら、ウナギ、豆腐、スイカ、白玉など

江戸時代から、変わらないお江戸の味である一方で

江戸時代には、庶民のファストフードだったものが

今は、高級な食べ物になっていたりするのも興味深いなあとおもいました。

 

********************:

さて、今日は、そんなお江戸のグルメの本を読んだからというわけではないのですが

 

娘の誕生日だったので

家族でお寿司です。

 

荻窪 和田上

 

ご主人の人柄がとてもよく、温かい雰囲気のある江戸前寿司

アジやイワシ、ホタテ、ボタンエビなど

季節のおいしさを堪能しました。

 

 

久しぶりに家族そろっての外食

こういうお店で、ゆっくりおいしいものを食べていると

子供たちの成長を感じずにはいられません。

いや、もちろん、もうすっかり大人なので、当たり前のことなのですが

親として、こういうお店に一緒に来て、お酒なんかちょっと飲んだりできることで

しみじみ、家族の生きてきた時間をかみしめてみたりしたわけです。

口には出さないけど。

 

子供は、成長し

私は、歳をとる?

いやいや、まだまだ、親も頑張らねば。

うん、頑張りますよー!!

 

 

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コメント: 2
  • #1

    Nico (日曜日, 10 7月 2016 02:18)

    ツイッターの画像を見て、まさかこのレベルのお鮨を握るのか?と、正直焦りましたが、さすがにお店ですよね。一つ一つの仕事が・・・芸術です。それより先日は失礼いたしました。こんなに有名な方とは知らず、普通に褒めてしまいました。反省。これからもお料理楽しみにしていますんで、まだまだ、バリバリ頑張ってください!

  • #2

    Yu-Ki (日曜日, 10 7月 2016 07:16)

    奥薗先生、おはようございます。
    娘さん、お誕生日おめでとうございます。
    ご家族で楽しいひとときを過ごされたのですね。

    料理の歴史を探るのはわくわく楽しいですね。
    先生の、こういう文章を読んでいると、後世の人たちは、どんな風に今の我々の生活を見てくれるのかなぁ、と不思議な感覚も覚えますね。