映画「五島のトラさん」

「五島のトラさん」というドキュメンタリー映画を見てきました。

 

これは、長崎の五島で製麺業を営むトラさん一家の日常を22年間も追い続けたものです。

犬塚虎夫さん、愛称トラさん。

トラさん一家は夫婦と7人の子供たちの9人家族。

トラさんは、毎日夜中の2時に起きて五島うどんの仕込みを始め

5時になったら子供を順番に起こして手伝わせる。

それがトラさんの教育方針。

 

子供たちはそれぞれタイムカードがあって

年齢によって時給とできる作業が決まっていて、

1時間うどん作りを手伝ってから学校へ行くのが日課

 

うどん作りを手伝いながら、人間関係や、働く意味や、経済観念などを身に着けてほしい

学校の勉強ができればいいというものではなく

もっと大切なことがある。

それがトラさんの考えなんだそう。

 

けれど、そんな親の思いと、子供の気持ちがいつも同じとは限らず

7人いる子供たちは、それぞれに複雑な思いを胸に秘めている。

 

お父さんがやれというから仕方なしにやっている子

いやでいやで仕方ない子

 

小さかった子供たちが成長していくにつれて

トラさんの思いと、子供たちの気持ちの間に少しずつ隙間ができ

父親というだけでは、もはや子供たちの心まで制御することはできなくなってくる。

 

子供たちが自分の未来に向かって、世界を広げていくのと反比例するように

老いていくトラさん。

 

後半は、トラさんの老いが切ない。

 

詳しくぜひぜひ、この映画を見て頂きたいのです。

 

私ががこの映画を見て思ったことは

親が子供に教えてあげられることなど、ほんの少ししかなく

子供が親を見て、子供自身がそこから何かを感じ、

自分の未来を決めていくんじゃないかなということ。

 

立派な人になりなさい、やさしい人になりなさい、まじめに勉強しなさい

といくら親が子供に行ったところで

子供がその通りになるわけではないし

 

でも、親がまじめに一生懸命生きていれば

子供は、そういう親の姿から確実に何かをくみ取ってくれるのではと思うのです

 

私は、子供が小さいころ、自分が仕事をしていることで、

どこにも連れて行ってあげられなかったり

あまり遊んであげられなかったり、思うように宿題も見てあげられてなかったり

子供だけでお留守番させなければならなかったり

とにかく、いろんなことを我慢させなければならないこともたくさんあって

 

そのことで、私に反抗したり、私の生き方を否定したとしても

それはもう仕方ないなあと思ってきました。

 

でも2人の子供たちは、結果として独立心旺盛なしっかりした子に育ち

特に、娘は

自分が生きていくのに必要なお金は自分で稼ぐ

この先結婚しても子供が生まれても、仕事をすると言い切っているので

少なくとも、私の生き方を肯定してくれているのだなあと思って

心の中で、うれしさをかみしめていたりしています。

 

トラさんは、子供たちに家業を手伝わせて

そのことで、子供たちが反発したり、家を出たいと思ったりしたけど

でも、寅さんがお母さんを大切に想う気持ちや、

家族を大事に思っていることや

子供たちの幸せを本当に願っていることとか

口には出さなくても、子供たちはしっかり感じ取っていて

いろいろ、と回りして、いろんなことがあったけど

最終的には、トラさんが思い描いたような幸せの形が出来上がったんじゃないかな。

 

家業を継いだ子、つがなかった子

五島を離れた子、生まれ育った土地で家族を持った子

 

トラさんと違う生き方を選択したこの中にも

確実にトラさんの思いはきちんと伝わっていて

それがまた、目に見えないけど、確実に、子から孫に伝わっているのが感じられて

なんだかすごく感慨深かったなあ。

 

親と子

家族

自分自身の、今までの時間を振り返って、

いろんなことを思い出して、一杯泣けます。

 

東中野ポレポレで上演中。

もし時間と機会があれば、是非是非、おすすめの映画です。 

 

 

 

 

 

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コメント: 1
  • #1

    Yu-Ki (日曜日, 07 8月 2016 04:35)

    奥薗先生、おはようございます。
    ドキュメンタリー映画なんですね。
    離島だからこその生活もあるのでしょうね。
    7人もいれば、皆が同じ方向を向くわけはないけれど、皆を同様に育てた虎さんは、信念があるのでしょうね。

    私は結婚してないですから子供もいませんが、先生のお子さんも素敵ですね。
    私も、親を悲しませることだけはしないように生きたいです。