でいりいおくじょのBLOG

2020.02.15

読書日記「水のようにやわらかな哲学書」

予期せぬ出会いというものはあるもので

たまたま出会った本が、すごーくいい本だったりすると

なんだかとっても嬉しくなる。

 

そんな本に出会いました

 

「水のようにやわらかな哲学書」 (写真・文 南里優未子 超える橋渡し出版)

 

この本との出会いは、電子書籍です。

 

普段の読書は、電子書籍と紙とが半々で

本当は、紙の本で読む方が断然好きなんだけれど

普段はお風呂の中が読書タイムになってしまっているので

そうなると、電子書籍の方が断然読みやすいのです。

(専用の防水カバーがあるんです)

 

それで、電子書籍で、面白い本がないかと探していたときに

たまたま見つけたのがこれでした。

 

ページごとに、写真と文章で構成されていて

写真集のような感じなんだけれど

メインは文章のようでもあり

 

最初に1ページ目から、なんとも不思議な世界にいざなわれます。

 

哲学的といえば、確かに哲学的

ちょっと宗教的といえば宗教的

 

でも、まあ、哲学は宗教から分離して生まれたものなので

ちょっと宗教的な感じがしても、それは仕方ないのかなと思ったりして

ページをめくっていくと

 

いつの間にか、なんか自分の重力がなくなって、この世界観に身をゆだねて

水の中にもぐったり浮かんだりしながら、この本の世界観を漂っているような感じになる。

写真も文章も、なんかそういう、不思議な雰囲気がある。

 

いくつか、好きな言葉に出会いました。

 

中でも、一番いいなと思ったのは

 

”答えを急ぐと、一番失うもの、それは時間。

豊かに広がるはずの時間を失い続けている”

 

確かに確かに。

 

もっとゆっくり構えて、ゆっくりじっくり考えようと思うんだけれど

気持ちが前のめりになっているなあと気づくこと、あります。

 

年齢を重ねたら、少しはどっしりと構えられるようになるのかと思っていたけれど

年齢の問題じゃない気もする。

正直、私、この年になっても、答えを早く出したい気持ちを抑えるのに苦労しているもの。

 

焦るな焦るな。と自分に言ってみるけれど

やっぱり、気づけば前のめりになっている。

 

でも、この言葉を読んで気づいたんです。

 

前のめりになったり、答えを急ぐ自分にあきれて、ちょっと待てと自分に言い聞かせるんじゃなくて

焦る気持ちと向き合うこと、そしてそれを楽しむこと

そこが大事なんだと。

 

年をとっても、早く答えを出したい気持ちがなくなるわけじゃないよ。

だって、早く結果を出して、楽になりたいやん。

 

でもね、本当は、目標に向かって、一生懸命になっている

その時間こそが、一番豊かだから

その豊かさを、少しでも長く楽しんだ方がいいんだってことに気づいた。

 

届きそうで、届かないこと

力及びそうで及ばないこと

 

そういうものが目の前にあるという事は

苦しいことでもあるけれど

それに向かうエネルギーは、生きる力でもありものね。

 

自分の中の、大きなエネルギーを感じなくっちゃ。

 

そんな風に、身体の力をふわっと抜いてくれる本でした。

水の中で、重力から解放されて浮かんでいるような心地よさを感じてみたい人におすすめです。

 

2020年2月14日本

コメント

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「送信」ボタンを押してください。

PageTop