でいりいおくじょのBLOG

2020.02.26

読書日記「村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝」

去年、かなり話題になった本で

どれくらい話題になっていたかというと

岩波新書なのに、本屋さんで平積みになっていたりしたんです。

 

「村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝」(栗原康著 岩波現代新書)

 

話題になっていた頃、一度手に取ろうとしたんだけれど

伊藤野枝、大杉栄、アナーキスト、政治運動に参加し、大杉栄とともに憲兵に殺される

というようなことを知り

こりゃ、私には読めんわ。

って、一度あきらめた。

 

でも、怖いもの見たさというか、読んでみたいという思いはずっとあって

とりあえず、栗原康さんの別の本を読んでみたんです。

(その本については、次回書きます)

 

そうしたら、文章がめちゃめちゃ面白くて

これはもう、読むしかないという気持ちになって

 

読み始めたら、これがまあ面白くて面白くて

ページをめくる手が止まらない。

 

もう仕事、そっちのけて読んじゃいました。

 

とにかく野枝の生き方がすごい。

 

野枝は、一度地元で親の決めた結婚相手と結婚させられるんだけれど

それに納得がいかず、家を飛び出し

東京で別の男と結婚し、二児を産んだのち

アナキストの大杉栄と恋に落ちて家を飛び出す

でも大杉には、別の女性が2人いて、なんとなんと四角関係

っていうか、野枝の中には結婚というような社会通念がないから

そんなこと、どうってことない。

その後、大杉との間に4人の子供をもうけて

大杉と一緒に社会運動にまい進する

 

とにかく、何事にも束縛されない

自分の生き方は、自分で決める。

自分のやりたいことをやって何が悪い

社会制度、常識、くそくらえって感じ。

 

読みながら、最初は、あまりにも社会通念から外れすぎているので

えええええ~~~~?????!!!!!

って、かなり引いていたんだけれど

 

読み進むうちに、だんだんこれはこれでありなのか?

って思い始めたのは

どこまでも自分のことは自分で決めるというのが首尾一貫していて

まったく迷いがないから

 

それが、その迷いのなさが、潔すぎて

カッコいいーーー!!って思えてくるから不思議。

 

読み進んでいくうちに、

なんかわからないけれど、野枝のことがだんだん好きになってくる。

ああ~、影響力強いわあ。

 

栗原康さんが野枝のことをめちゃくちゃ好きで

その好きだ好きだって言う気持ちが文章からあふれ出ていて

読んでるこっちに伝染するんだなあ。

 

全編を通じて、野枝のフェミニズム思想について書かれている部分がかなりあって

こういう本を読むときって

そういう思想について、何か感じるものなのかもしれないけれど

 

私は、むしろ、何物にもとらわれないで自分のやりたいことをやって、

問題が起これば、その時になってどうするか考えれば何とかなる

みたいな、生き方に、逆に元気をもらいました。

 

いや、野枝の場合、正直あちこち迷惑もかけまくっているんだけれど

それでも何とかなっているので

本当に、なんとかなるもんなんだなあって思えたのがいいんです。

 

こんなめちゃくちゃな生き方でも、

救ってくれる神様みたいな人がいて

いい人がいるなあって思うと、それもなんか救われる気がして、それがいいんです。

 

野枝の生き方も、考え方も

賛否両論あるとは思うけれど

私は、嫌いじゃないなあって思いました。

一種の、ないものねだりというか、そういう感じなのかもしれないけれど。

 

2020年2月25日読書日記村に火をつけ1

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