でいりいおくじょのBLOG

2020.03.06

映画日記「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」

戦争つながりで、もう一つ映画を見ました。

「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」

 

第二次世界大戦の時

ドイツ軍によって編み出された世界最強の暗号<エニグマ>

この解読に挑んだ一人の天才数学者の話です。

 

ドイツ軍が発信しているすべての極秘情報は

このエニグマを通して暗号化されて発信されています。

エニグマから送られた暗号は、再びエニグマを通すことでしか解読できません。

 

この暗号を解読できるかどうかが、これから先の戦局を決定することになるのです。

 

イギリス軍は一台のエニグマを入手しているので

解読できるのでは?と思ってしまうのだけれど

事は、そんなに簡単ではないんです。

 

というのも、

ドイツ軍は、毎日0時にエニグマの設定を変えてしまうんです。

新しい設定で発信された情報を英国軍がキャッチできるのが午前6時。

毎日、そこから新しい暗号の解読を始めなければならないので

一日に使える時間は18時間。

 

人海戦術で、しらみつぶしに暗号を解こうとするのですが

その暗号の組み合わせは1590000・・・・(ゼロの数が18個)とおり

ものすごい人数を投入しても全く歯が立ちません。

 

このエニグマの暗号解読に挑むのが

一人の天才数学者 アラン・チューリング。

 

彼は、解読用の機械を独自に作り上げ

それを使って、暗号解読に挑んでいくんです。

 

つまり、機械(人工知能)によって作られた暗号は、機械(人工知能)でしか解読できない

というのが彼の考えにあったのです。

 

この彼が開発した人工知能は、のちのコンピュータの基礎となります。

 

最初、アラン・チューリングは、自分一人でこのコンピューターを作り

自分だけが操れることのできるパートナーとして、そのすべてを自分で設計し操作していたのだけれど

結局それでは、ドイツのエニグマを解読することはかなわず。

最終的には、仲間と力をあわせて立ち向かっていくことになります。

 

この映画は、エニグマ解読というのが、メインストーリーなんですが

私は、人工知能と人間の頭脳についてすごく考えさせられました。

 

人工知能と人間の頭脳

人海戦術でエニグマを解読できなかった時点で

人間の知能は完全に人口知能に負けています。

 

能力としては、はるかに人工知能の方が上であることは間違いありません。

 

けれど、人間には

分かり合える喜び、助け合う時に生まれ自信や勇気、一緒にいる安心感

といった、数値化できない感情があり

そのことで人間は予測不能な可能性をもっています。

 

最終的に、アラン・チューリングも、仲間に助けられ

仲間と力を合わせることで、光を見出していきます。

人間と人間が力を合わせることで生まれる予測不可能な力は、人工知能を超える可能性を秘めている

そういう人間と人間が力を合わせたときのすごさを感じました。

 

だからこそ、人と人そして人工知能が、うまくつながっていくことが必要で

そうすることで、もっともっと大きな可能性が生まれる。

 

でも、人工知能があれば、それでいいのかといえば、そうではない。

 

人間と人工知能は、最終的に心を通わせることができるのか、

この映画は、もう一つ別の問題提起がされている気がしています。

 

(ちょっとネタバレになりますが)

アラン・チューリングは最終的に

自分の作った人工知能を守るために、

自分の知能を捨て、かつての恋人の助けも拒むことを選択します。

(つまり、人間とのつながりと自分の知能より、人工知能を選んだ)

 

人工知能は、彼にとって最も大事な親友だった。

けれど、最終的に、その親友は彼を絶望から救えなかった。

 

それが答えだと思いました。

 

エニグマ解読で、第二次世界大戦は約2年早く終わったといわれていて

人工知能が果たした役割は大きかったけれど

そのことで大きくなった人工知能。

そこから、人工知能と人間の戦いが始まったともいえると思います。

 

今、PCやスマホなど

人工知能なしでは生活が出来なくなっていますが

こういう映画を見ると、

大切なものはなにかを

改めて、思い直した映画でした。

 

2020年3月5日イミテーションゲーム

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