でいりいおくじょのBLOG

2014.09.16

明太子のほぐし身を作った時に残った皮は、みなさん、どうしているんだろう?という問題について。

明太スパゲテイーや明太マヨネーズなんかを作るとき

明太子の身だけを取り出しますが

どうやっていますか?
 

私、昔はラップの上に明太子を置き

縦に包丁でつーっと切れ目を入れ

その切れ目のところから、横に包丁を滑らせて身がスーッとこそげ取っていた時もありました。

この時、ラップの上でやると、

皮がラップに張り付くので、身だけがうまくこそげ取れるのです。
 

で、問題はラップに張り付いて残った皮。

食べるべきか、捨てるべきか

こういう皮の部分って、唐辛子とか調味液が一番よくからまっているところなので

確実に一番おいしいに違いない。

おいしいに違いないのだけれど、ラップにべったりと張り付いたのをめくって口にほおり込むっていうのも、なんだかちょっと気が引けるし

あの皮だけ食べても、そんなにおいしくはない気もする

かといって、捨ててしまうのは、やっぱりなんだかちょっと惜しい。
 

どうしたものか。

これは結構長い間、私の中ですっきりしない問題でした。
 

ところがある時、

福岡に仕事で行って、お土産に明太子を買って帰ったんですね。
 

私、福岡には5年ほど住んでたので

明太子にはかなりこだわりもあり、結構好きでよく食べてたんです。
 

近所の市場には、明太子屋さんもたくさんあって

唐辛子が強烈なのや、ゆずや昆布の風味を加えたのや

お店ごとに、それぞれ特徴があって

そこに住んでいる人も、それぞれにお気に入りのお店を持っていたりしたものです。
 

その当時、私も常に冷蔵庫には明太子が入っているような状態で

普段の食事に当たり前のように食べていたので

買うのは「切子」と呼ばれる形の砕けたの。

味は変わらないのに、砕けているので値段が安いのです。
 

普段家で食べるのだから、形が砕けてたって全然問題なく

むしろその方が、取り出しやすく、食べやすい。
 

切子を使うと、最初から砕けていて身がこぼれだしていたりするから

皮をとるのは大変なので

料理に使うときは、そのままぐちゃぐちゃと混ぜたりしていたんだけれど

そうすると、皮が固まって丸まったりして(別に口に残ったりはしないんだけど)

ちょっと仕上がりが汚い。
 

そこで、ところどころキッチンはさみで皮を切り刻んで細かくしておくと

これが、なんともうまく混ざるんです。

九州にいるときは、いつもこんな風に明太子を使っていたのでした。
 

久しぶりの福岡出張で切子の明太子を買ったとき

そのことを、思い出した私。
 

東京に来て、切子を買う機会がなかったことと

ちょっといいカッコして美しく料理しないといけないみたいな気持ちがあり

(田舎者の悲しい性です)

そんな粗野な料理法を、どこかで封印していたのかも。
 

以来、明太子は容器に入れて、その中にキッチンはさみで切り刻んで使っています。

(切子じゃなくて、切れてない明太子を買った時も、

売られているときのトレーの中にキッチンはさみを入れて、

食べやすい大きさに、ちょんちょんって切っておきます。

こうしておくと、ほしい分だけ取り出しやすいのです)
 

実はこれ、ものすごく理に適っているんです。
 

というのも、明太子って、スケトウダラの卵を一度塩漬けしてから塩を抜き

それから唐辛子の入った調味液につけて作るそうなんですね。
 

「明太子を作った男」ふくや創業者・川原俊夫の人生と経営

 ( 川原健著 海鳥社)

という本によると
 

明太子は、もともと韓国の市場で売られてる明卵ジョッというものが原型なんだそう。
 

韓国語でスケトウダラを「明太(メンタイ)」といい

その卵を「明卵(ミョンラン)」という。

この卵を塩辛類「ジョッ」でつけた「明卵ジョッ」という食べ物があって

明太(スケトウダラ)の卵を塩漬けにした後、刻みニンニクや粉唐辛子で味付けしたものらしい。
 

スケトウダラの卵巣は、もともとは生きたクラゲを少し硬くしたような、

ぶよぶよしたもので、卵の中もゼリー状なのだけれど

塩漬けすることで水分が抜け、

同時に卵の膜を構成するタンパク質が変化して固くなり

独特のプチプチ触感になるのだという。
 

このたらこを唐辛子液につけてできるのが、辛子明太子。
 

韓国の明卵ジョッは、唐辛子もニンニクも強すぎて、日本人の口には合わず

日本人の口に合う唐辛子液を完成させるのに、ものすごい時間と試作が必要だったようです。
 

で、何が言いたいかというと、

明太子のおいしさって、それを漬けている調味液やトウガラシの風味だと思うんですね。

(明太子の開発に一番苦労されたのは、そこなのですから)

それって、明太子の皮の周りにたっぷりとついているわけですよね。
 

ということは

明太子の身をほぐす時に、皮を混ぜないのって

明太子のおいしい風味やうまみを、みすみす捨てているようなものではないですか?
 

つまり、明太子のほぐし身を作るときは、皮を混ぜ込んだほうが

断然風味も香りもうまみもよくなる!!
 

だから、キッチンはさみでチョキチョキなのです。
 

これだと、まな板にトウガラシや調味液がくっつくこともなく

器の中で切り刻んでそのまま、調味料や具材と混ぜ混ぜしてしまえるので

まったく無駄がありません。

もちろん口に残ることもなく、見た目も問題なし。
 

というわけで、明太子をほぐし身にするときは、皮を取らず

皮ごと切り刻むのがおすすめ!というのが、今日の私の結論でした。
 

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きょうの「日めくりレシピ」は「明太豆腐」です

皮ごと切り刻んだ明太子を豆腐と混ぜて焼くだけ。

明太子のうまみと塩分だけで味が決まります。
 

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奥薗壽子で検索してみてくださいね。

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