でいりいおくじょのBLOG

2014.09.26

味噌汁は、塩分とりすぎの原因なのか?という問題について

ちょっと古い話ですが

日本人の塩分摂取量が欧米に比べてすごく多く

その原因は味噌汁にある、という風に言われたことがありました。
 

確かに、みそ汁1杯で1~2g近い塩分が含まれているので

一日3回飲めば、それだけで一日の塩分摂取量の上限近くまで行ってしまうのは事実。

けれどです。
 

確かに塩分量は多いけれど、逆にいい面もたくさんあるわけで。
 

例えば、

作るのが簡単。(汁に具を入れて煮て味噌を溶くだけ)

普段の料理では、使いにくい、根菜、海藻、豆類、きのこ類などが手軽に食べられる。

入れる具の組み合わせに、難しいルールがない。

汁に溶け出したビタミンや、ミネラルを無駄なくとることができる

消化が良く、おなかにやさしい。

味噌は発酵食品なので、腸内環境にもいい。

温かいものは、気持ちがなごむ。

等々。
 

塩分というデメリットがあるだけで

味噌汁を全否定してしまうより

こんなにたくさんあるメリットのほうに目を向けて

どうやったら、デメリットを改善できるのかを考えていくほうが

ずっと賢いと私は思います。
 

味噌汁の塩分を減らす方法は2つ。
 

1.味噌汁に入れる味噌を減らす。

2.口に入る味噌汁の量を減らす。
 

このどちらか。
 
1のみその量を減らすというのは、つまり味を薄くするということですが

ただ単に味噌を減らして味を薄くするだけだと

味噌汁がまずくなって、本末転倒。
 

大事なのは、うまみを増やして味を薄くすること。
 
2の口に入る量を減らす方法としてもっとも簡単なのは、

具を多くして、一椀に入っている汁の割合を減らすこと。

野菜もたっぷり食べられて、汁は野菜のうまみでおいしくなる。

まさにいうことなし。
 

ここで、1の味噌汁汁のうまみについて、少し補足説明。
 

うまみというのは、つまりだしのことですね。

以前家庭の医学で、だしが入った味噌汁と、だしの入っていない味噌汁の飲み比べをやっていて

だしが入っていれば、1%塩分の味噌汁でだれもおいしいといったのに対して

だしが入っていない場合は3%でも物足りないということでした。
1%塩分の味噌汁だと、200㏄飲めば塩分2g
3%塩分の味噌汁だと、200cc飲めば6gの塩分をとることになります、コワッ!!
 

つまり、うまみのない汁を塩分だけでおいしいと感じようとすると

それは、相当濃い塩分になるということです。
 

だし、と一言で言っても

だしの取り方にはいろいろあります。

もちろん、だしのもとも悪くはないと思います。

でも自然のうまみは、やっぱりおいしいものです。 
 

昆布、鰹節、煮干し

これが3種の神器です。
 

昆布は、キッチンはさみでチョキチョキ切って入れます。

水と一緒に火にかければ、それだけで昆布だしの完成。

昆布はそのまま具として食べれば、引き上げる手間もなく、つくだ煮にする必要もない

切手入れるだけなので、難しいことなんて何もありません。
 

鰹節は、パックに入ったのを、みそ汁の出来上がるの最後にバサッといれるだけ。

ひき上げずに、これも具として全部食べてしまいます。

だしを出した後でも、うまみは十分、タンパク質だってある。

大体、おひたしや冷奴には鰹節を振りかけて全部食べるのに、

何でだしの場合は、鰹節を引き上げるのか

それが疑問です。
 

パックに入った鰹節は、削りが細くて細かいので

味噌汁の中で丸まって、のどに引っかかってげーげーいうことがないのでおすすめ。
 

煮干しは、カツオが上品なうまみなのに対して

煮干しがっしりした骨太の美味しさです。
 

煮干しには、取れる浜によって、大きさや味などまちまちですが

使う量は、2人分で5~10g位でしょうか。

そんなに多くなくてもいいのです。
 

私は、煮干しを引き上げないで全部食べてしまうほうがいいと思っているので

あまり大きくない煮干しを使っています。

小さめの煮干しだと、具と渾然一体となりやすいし、身もやわらかくなるし、はらわたをとらなくても苦味が出ません。
 

私が今使っているのは、普通にスーパーで売られているものですが
15~20尾くらいで10gです。
 

煮干しは、昆布をチョキチョキしたところに、手で砕いていれます。

はらわたはとってもとらなくても

頭はいいだしが出るので、取らないほうが絶対おいしいと思います。
 

煮干しはあらかじめ水に浸けておくといいのですが

そんな心の余裕がないときは、いきなりで大丈夫。

(私はいつも、いきなりです)

ただしいきなり入れたときは、ちょっと弱めの火加減で、徐々に温度を上げるのがコツ。

うまみは温度が上がるときに外に出るので、

ゆっくり温度を上げることで、あらかじめつけておかなくてもいいだしが出ます。
 

それから、鰹節は、バサッといれるだけでふわーッと、いいうまみが溶け出しますが

煮干しは5~10分くらいに出さないと、うまみが出ません。
 

なので、煮干しを引き上げないと決めている私は

ここに野菜を入れてしまって

煮干しのだしを引き出しながら、野菜を一緒に煮てしまいます。

別に、煮干しのだしを引き出してから野菜を煮る必要はないでしょ?

一緒に煮ても、煮干しは煮干しでうまみを出し、野菜は野菜で煮えてくれます。
 

もしも、家族が煮干しが入ったままになっている味噌汁を嫌がったならば

盛り付けるときに、目立つところだけちょんちょんとお箸で引き上げればOK。

(私は自分の器に入れて、食べちゃうけどね

おいしくカルシウム補給、悪いね~私だけ元気になって~)
 

嫌がる家族の器には、煮干しの痕跡を残さない

これで家庭平和も保たれます。
 

ということで、長々と書いてしまいましたが
 

今日の結論
 

味噌汁は塩分とりすぎの原因なのか。という問題に対することは

”N0”です。
 

だしを上手に使って、うまみをアップ

入れる具をたっぷりにして、お椀に入っている汁の量を減らす。
 

これで、おいしいみそ汁を健康的にいただけます。

ぜひお試しあれ。
 

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