でいりいおくじょのBLOG

2020.11.24

読書日記「経済で読み解く日本史」

大阪経済大学の評議委員をやらせてもらうことになった時

自分に、絶望的なほど欠落しているものがあることに気づきました。

それは、「政治・経済」の知識。

自分で言うのもなんですが、小学生くらいレベルです。

それで、慌てていろんなものを読んで勉強していたのですが

そんな私でもスラスラ読めて、経済の知識を得ることができる本を発見。

さっそく読んでみました。

 

「経済で読み解く日本史 室町・戦国時代」

「経済で読み解く日本史 安土桃山時代」

「経済で読み解く日本史 江戸時代」

「経済で読み解く日本史 明治時代」 (上念司著 飛鳥新社)

 

 

「経済は体であり、政治は衣服である」

この本は、歴史の流れの中で

日本という国がいかに衣替えしていったか分かりやすく書いた本です。

 

この本で歴史の流れをがーっと一気読みすると

たしかに日本の国の成長(経済)に合わせて

古い服(制度・政治)をどんな風に脱ぎ捨てられ

どんな服に着替えていったのかが、すごくよくわかりました。

 

もともと私は日本史好きなのですが

経済というフィルターを通して歴史の流れをたどると

全く違うストーリーが見えるというのが、すごく面白かったです。

 

そもそも日本はお米の国で

米がお金であり、賃金であり、税金であり、食料でもありました。

だから、日本の体は米でできていたんです。

 

貧富の差や、人が人を支配する階級制度とか

全て米を中心に動いていましたが

それが、どうしてなんだろう?って、実は考えたことがありませんでした。

 

それは、お金というものがなかったからなんですね。

 

なんでお金がなかったかというと

お金を作る鋳造の技術も原料もなかったからで

貨幣は中国から輸入するしかなかったわけです。

 

歴史の本を、ただぼーっと読んでいるだけではだめですね。

へえええええ~~~~~~でした。

 

自分たちで自由に貨幣を作れないという事は

自由に発行できないので、経済をコントロールできません。

 

物が豊かになり、商業を発達させたくても

貨幣自体が増えないわけですから、どんどんデフレになり

経済は停滞する。

 

体は大きくなりたいのに、栄養が入ってこないようなもの

ストレスが溜まります。

 

だから経済が停滞すると、不平不満が起こり、

戦がおこり世の中が乱れる。

 

貨幣の鋳造ができるようになったのが江戸時代ですから

それまでの世の中の乱れは、そういう事なのかと考えるとすごく納得がいきました。

 

ところがです。

 

江戸時代は、日本で金や銅が出てきて

それによってお金を作ることができて

一時好景気になったんだけれど

 

経済のベースはやっぱりお米で

お米を経済の基準にすると

お米の価値で経済が変化するので、経済の状態はすごく不安定なんです。

 

そして、いよいよ明治維新

これは日本が国際国家になるための大変革だったのですが

経済から見ると、お米ベースの石高制からの脱却でもあったんですね。

石高制という服を抜いで

いよいよ、貨幣制になったわけです。

 

ここまで読んでくると、明治維新がうまくいったことは奇跡に近く

ものすごくすごいことだったのだと、改めて思いました。

 

石高制をなくすためには、藩をなくさなくてはならず

新しい法律も作らなければなりません。

 

そして、ここからは経済の相手が世界の国々ということになります。

 

実は、このシリーズは

この後「昭和」「平成」と続いていくのですが

明治以降、貨幣制度がめちゃめちゃ複雑になり

今の私の頭では、半分も理解できず・・・・

で、挫折中です。

 

経済、ちょっとおもしろいなあって思ったんだけれど

いやいや、それは甘かった、すごく複雑、めちゃめちゃ難しい。

 

とりあえず、明治まででいったん終わり

初心者向けの本で、基礎知識を勉強してみようかと思っているところです。

 

いずれにしても、

日本の国の成り立ちを、別の角度から知ることができたのは

本当に面白かったです。

 

私でも読めたので、経済初心者の方でも明治までは読めると思います。

 

経済のことがわかると、世の中の大きな動きが少しだけわかり

今までとは違う角度から、世の中を見ることができます

それを知れただけでも、すごく意味がありました。

 

経済は面白い。

知っていた方が絶対にいいなと思いました。

 

2020年11月23日経済で読み解く日本史

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