でいりいおくじょのBLOG

2014.08.24

あごだしにはまっています!

知り合いから、あごだしをいただき

ここのところ、おいしいあごだしを堪能しています。

あごというのはトビウオのことで

日本海の南のほうから、ずーっと長崎、沖縄のあたりまでが生息海域じゃないかな。
 

長崎の壱岐に行くのに乗った船や

沖縄の離島に渡った時のフェリーとか

船の進むのに合わせて、ピョンピョン飛びながらついてくる姿を

何回も見たことがあります。
 

トビウオって、人懐っこいというか、愛嬌のある魚なんです。

本当にかわいい。
 

昔、北九州に住んでいた時

トビウオは普通に鮮魚コーナーで売られていることもあったので

何回か、買って食べてみたことがあります。

でも、そのまま塩焼きとかにすると、小骨が多いので、あまり好きじゃなかった。
 

多分そういう人が多いのか、

トビウオは、干して干物にしたり、だしにしたり、

あるいは、すり身にしてちくわになったりするほうが、有名ですね。

(島根のあごの焼きは本当においしい!!)
 

味はいい魚なので、小骨問題が解決すれば、とってもおいしいんです。
 

さて、いただいたあご。
 

福岡では、お正月のお雑煮の山車は、絶対あごだしが決まりで

あごだしでしっかり取った濃いだしと、かつお菜という青菜の入ったお雑煮は、

今でも懐かしい味です。
 

あごは、一尾が10センチくらいあるので、一尾煮出すだけでも相当濃いだしが取れます。
 

だしといえば、私の故郷の京都もだしを大切にするところです。
 

でも、京都のだしは、昆布と鰹節が基本で

京料理のだしは特に、雑味のない上品なだしが命。
 

なので、鰹節を使うのでも、血合いのない血合抜きの鰹節、なんていうのも売っています。

私も、使ったことありますけど、普通の家庭で使うには上品すぎて

うまく使わないと、物足りない感じさえします。
 

まあ、料理屋さんのだしと、家庭のだしは違うので

家庭で血合抜きのかつおを使っている人は、そんなにいないと思うけど。
 

同じだし文化圏でも大阪のだしって、京都のだしと違うんですよね。

京都が禁欲的なだし文化だとしたら、大阪はとっても快楽的なだし文化。

大阪のだしはガツンとうまみをきかせたパンチのあるだしなんです。
 

「京味」という有名料理屋さんの西健一郎さんが書かれてエッセイで

ああ、そうなのかと思ったことがあります。
 

西さんが自分のところで出しているうどんのだし、

細心の注意を払ってだしを取っているので、品良くおいしいだしではあるのだけれど

大阪のうどんと比べたら、何か物足りない。
 

自分のだしに、何が足りないのか

西さんは必死に研究を始めます。
 

そしてある時、大阪のうどん屋さんのゴミ捨て場をこっそり調べて

とうとう、そのうまみの正体を発見されるんです。
 

その正体とは、イワシやサバといった、混合節といわれるものでした。
 

つまり、京都では、雑味のないすっきりしたかつおのだし(血合さえ抜いた)が最上とされていたので、

サバやイワシのような雑味のあるうまみは、品格が下がると考えていて

雑味はとことんとったほうがいいと思っていた西さん
 

料理によっては、その雑味こそが、ガツンと心に響くうまみに変わるということを発見されるわけです。

以来、カツオにイワシやサバなどを雑味をブレンドすることで、さらなるうまみの世界を広げられたそうな。
 

これを読んだとき、

うまみの世界は、本当に奥が深いなあと思った私。
 

以来、私も、煮干しとカツオをブレンドしたり

あごとカツオを混ぜてみたり

その時の気分で、だしを掛け合わせて遊んだりしています。
 

いずれにしても、魚のうまみが入ることで

間違いなく、味に深みが出て、味を濃くしなくてもおいしくなるので

煮ものをするとき、ちょこっと煮干しを入れてみるとか

煮ものの仕上げや、炒めものの仕上げに鰹節をパラりとかけてみるとか

難しいことじゃなくて

気楽にだしと仲良くなるというのが、いいのではと思ったりしています。

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