でいりいおくじょのBLOG

2021.09.20

読書日記「人生のやめどき」

年齢的に見て

まだ終活を始めるまでには、まだ少し間があると思っているのですが

 

最近、あちこち家の片付けなどをしてみて

物を捨てるのには、かなりエネルギーがいるということをつくづく感じます。

 

買うのは、あんなに簡単なのにね。

 

これ、ダイエットと同じね

 

太るは易し、痩せるは難し。

増やすは易し、減らすは難し。

 

なので、終活っていうほどではないけれど

自分の人生の最後はどんな風にしたいか

みたいなことは、ぼんやりとイメージしておくのも悪くない

なんてことを思って手に取った本がこれ

 

「人生のやめどき」(樋口恵子/上野千鶴子著  株式会社マガジンハウス)

 

樋口恵子さん、御年88歳

上野千鶴子さん、御年72歳

 

このグレートなお姉さま方による、

歯に衣着せぬ対談集です。

 

いやあ、面白いです。

 

普通、対談というと

なんとなく、二人で角が立たないように

無難なところで折り合いをつけて、まあまあまあって感じのものが多いんだけれど

 

このお姉さま方は

めちゃめちゃ口がたつので

もう、お互いにばっさばっさと切り込んでいかれるんですよ。

 

上野先生は、いつものごとく

切味鋭い言葉で、バサッと言い切っちゃうから

あの樋口先生が、途中、しどろもどろになられるところなどあって

めちゃめちゃ面白かったです。

 

テーマは

家族のやめ時(親の役割をいつやめるか、介護をいつやめるか)

人間関係のやめ時(社会活動のやめ時とか、お見舞いのやめ時とか)

社会のやめ時(趣味のやめ時、ペットのやめ時、断捨離のやめ時など)

自立のやめ時(料理のやめ時、蔵書のやめ時など)

人生のやめ時(薬のやめ時、終活のやめ時)

 

確実に、将来、誰もが直面するであろうテーマがてんこ盛りです。

 

中でも、私が面白かったのは

断捨離のやめ時、料理のやめ時、蔵書のやめ時

 

断捨離って、体が動かなくなる前に

ある程度、身の回りを整頓して

いるものいらないものを整理しておく必要があるって

ずーっと思っていたんだけれど

 

上野さん曰く

 

本当に大事なもの(人がもらって喜んでくれるよう物、宝石とか)は

早めに友達にあげて

 

それ以外のものは

そのままにしておいて

その代わり、親しい友人に、自分が死んだら全部業者に処分してもらうように頼み

その分のお金を置いておく

 

いやあ、まいりました。

 

生きている間は、しょうもないものでも

愛着のあるものに囲まれて暮らす方がいい。

でも、たぶん、他の人にとってはどうでもいいようなものだから

そこから分別せずに、全部業者社さんにお任せする。

 

私は、これ、いいなあって思いました。

 

蔵書のやめ時も

増え続ける本を、どうするかは、私もずーっと悩んでいたんだけれど

最近は、寄贈しても受け取ってもらえないというのはよく聞いていて

貴重な本でさえそんな感じなので

これについては、

最終的には、業者さんにお願いすると割り切ると、気持ちが楽になります。

 

その一方で

私は、できるだけ本を増やさないように

デジタル化されている本は、できる限りそれを選ぶようにしています。

 

そして、

料理をいつやめるか、という問題。

 

私の場合、料理が仕事なので

気持ちとしては、死ぬまで料理をしたいと思っているけれど

 

そうなると、足腰立たなくなって

料理ができなくなったときに、生きる希望を失うかもしれないから

 

できる限り、死ぬまで料理を作れるように

健康に気を付けて、筋トレもして

最善を尽くそうと思いました。

 

買ってきたものや、宅配のお弁当もかなり良くなっているし

栄養バランスだって悪くないと思うんだけれど

 

今の時点では、それじゃあ、なんか生きる張り合いがなくなりそうな予感。

 

そうなると、老後に施設に入って

上げ膳据え膳の食事で暮らすっていう選択肢が

私の場合なくなるってことになって

 

台所から、老後の生活を考えることにもなります。

 

いやあ、いろんな意味で

いろんな気づきのある本でした。

 

これは、人生半ばで

まだまだ人生の終わりが全く見えていない人も、是非読むべき本だと思います。

 

なんといっても、お二人の喧々諤々の討論

めちゃめちゃ面白いです。

2021年9月19日本

コメント

  1. 道正幸信 より:

    私も少し前に読みました。面白かったです。

    奥薗さんの詳細なおさらいと、深い受け止めに、感動!

    私は、ナルホド、ナルホド…と思いながら読み、
    読み終わると、何が書いてあったの? …と言われましても…と
    だいたい、復唱不能となることが多いです。
    ほとんど、図書館から借りて読むので、
    内容を確認し、思い出すのも、簡単ではなく…
    何らかの形で、今の自分に生かされていると思いたいのですが、さてさて?

    なべかま通信、一度、お手紙付きで、届けていただき、
    拝見しましたが、私のような、初心者レベルの者が読むのは、ちと早いと思いました。
    スイマセン。

    奥薗さんの、「アホみたいな料理」にとても助けられています!
    この夏、一番作ったのは、
    ピーマンとソーセージのピリ辛炒め!
    次に、フライパンで焼きナス!
    少しさかのぼると、
    キウィと伊予柑の甘酒マリネ! 
    ときどき麹で甘酒を作るので。
    果物が長持ちするのにもびっくり!

    毎日、楽しみに「なべかまページ」拝見しております!

    1. 奥薗壽子 より:

      なべかま通信、読んでくださったのですね、ありがとうございます。
      また、いろいろ作って下さって、うれしいです。
      これからもよろしくです。

  2. たまちゃん より:

    朝日新聞のイベントで、上野千鶴子さんの講座があったので、見ましたー。
    実は、ちょっと怖いイメージがあったのですが、語り口も優しくて、お話しもわかりやすかったです。
    その中で紹介された本、、在宅ひとり死のススメ、、を昨日読みました。。
    そうだなぁ、、と思うことが多かったです。
    弱い立場の人が過ごしやすければ、誰もが過ごしやすい!こんな環境にしていきたいですね。
    今日の本も、興味津々です。
    ありがとうございます。

    1. 奥薗壽子 より:

      上野先生、私も最初は怖い方かと思っていたのですが
      テレビを拝見しても、頭脳明晰でユーモア―があり、わかり易い言葉できちんと話される、
      すごい方だなあと思っています。
      在宅ひとり死のススメ、読んでみたいなと思っているところです。
      何か、そこから見えてくることがあるような気がしています。

  3. こでまり より:

    義理の付き合いをこちらからフェードアウトしていく。

    完全に読まなくなった本はリサイクルに回す。

    去年、着なかった服は出番がないと思って処分。使わなくなった台所用品、食器を減らしていく。

    自分で判断できるうちに徐々やっていかないと、たとえ親子でもバンバン捨てられるともめるようです。

    1. 奥薗壽子 より:

      親子でも、勝手に捨てるのはだめですよね。
      やれるうちは、自分でやって
      やれなくなったら、最後は業者さんに頼めばいい。
      自分が死んでからの事なので、お金だけ残しておけばいいと思えば、気が楽になります。

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