でいりいおくじょのBLOG

2015.01.19

バターを使わずにおいしいホワイトソースは作れる?

ここのところ、バターが品薄状態ですね。

バターを使わないと仕事にならない洋食屋さんやケーキ屋さんなんかは

困っておられるんだろうなあ、と思いつつ

私はというと、普段冷蔵庫にバターを買い置きしていないので

特に、困るという感じはありません。

そういう話をすると、

「ああ、うちもそうです」

という方が、結構な割合でいるので

まあ、家庭料理において、バターが品薄ということは、それほど深刻な問題でもないのかな

という感じがしています。

(もっとも、私はこういう話をする人たちは、ある程度の年齢ですけど)

実は何年か前にも、バターが品薄状態になったことがあって

その時に、バターを使わないとしたら

家庭料理で作れなくなる料理はどれくらいあるのか

ということを、自分なりに研究してみたのです。

そうすると

例えば、オムライスとか、オムレツとか、ムニエルとか、スパゲテイーとか

バターの香りで食べさせる料理なんかは、バターがないとちょっと物足りなくなるのかなと思ったんだけど

バターがなかったら、なかったで、別に問題なく

慣れてくると、むしろその方がさっぱりおいしく食べられるように思い始めました。

で、どんどんバターなし料理を試していくうちに

これは、ちょっと難しいなあと最後まで課題として残ったのが

お菓子類とホワイトソースで

お菓子は、最終的にはバターなしでもある程度のものはできるようになり

(この話は、また別の機会に)

一番最後まで残ったのがホワイトソースでした。

ご存じのとおり

ホワイトソースって、バターで小麦粉を炒めたところに、牛乳を入れて作りますが

これをオリーブオイルやサラダ油にすると、小麦粉を炒めるときになんかさらっとしすぎるし

バターのような濃厚な香りがしないので、今一つテンションが上がらないし

仕上がりの味も、なんかちょっと違和感がある・・・。

ホワイトソースってバターの牛脂肪のコクによるおいしさともいえるのかもしれません。

となると、このまったりとした乳脂肪のコクがなくなるなら

その代わりに何かを足さないと、ただ単に物足りないだけの味になってしまいます。

そこで、いろいろ考えた結果、行き着いたのは和食の世界。

あっさりしていておいしい、というのは和食の得意とするところなわけだから

脂肪のコクがない分、食材のうまみでコクを補えば

バターの香りがしなくても、深い味わいのミルクソースになるのではないか、ということでした。

そこで思いついたのが昆布。

牛乳に昆布のうまみを入れる!!

頭で考えると牛乳と昆布は合わないように思うかもしれませんが

昆布のうまみ成分のグルタミン酸は、チーズのうまみ成分と同じですから

そう考えると、昆布のうまみで牛乳がおいしくならないはずがない。

昆布は、人が頭で考えるよりもうんとボーダレスなんです。

これでコクの問題は一つクリアしたとして

それでは、バターの代わりに何の油を使うかという問題です。

最初は、ホワイトソースの基本の作り方から、頭を切り替えることができなくて

植物性の油で小麦粉を炒めて牛乳を入れる方法を、あれやこれや試していたんです。

でも、ここからいったん抜け出さなければ、どうやっても行き詰ってしまうことに気づきました

何か見えない、固定概念に縛られている自分。

それをどうやったら、壊せるのか。

その時に思い出したのが

子供がまだ小さいとき

片栗粉でとろみをつけたあんかけ風のおかずは、とっても上手に食べられるのに

小麦粉でとろみをつけたホワイトソース系の料理は、ちょっと飲み込みにくそうにしたことがあったのを思い出しました。

あの時、どうやったら子供たちがもっと食べやすくなるのかと、あれこれ試行錯誤して

小麦粉の量を減らしたり、牛乳を増やしたりしたのですが

最終的にはシチューとかグラタンとかを作るときは、牛乳だけで具材を煮て

最後に水溶き片栗粉で仕上げる方法に行き着いたんです。

あの時、片栗粉でとろみをつけると

子供たちがすごく喜んでモリモリ食べた・・・。

そういえば、そうだった・・。

改めて考えてみると

小麦粉のとろみより、片栗粉のとろみのほうがうんと優しくて、のど越しがいい。

しかも、小麦粉を油で炒めるというプロセスがなく、とろみ付けが簡単。

な~ンだ、もうすでに固定概念を打ち破る方法は

ずーっと前に見つけていたんじゃない。

こうして出来上がったのが、奥薗流ホワイトソース。

牛乳に片栗粉を混ぜ、最後に加えるだけ。

あのころは、最後に水溶き片栗粉を入れてましたが

今は、牛乳の中に片栗粉を入れてしまうことで

水溶き片栗粉を入れる手間もないので、だまになる失敗もありません。

片栗粉の量を加減することによって

誰でも簡単に、濃度を調整できるのもいいし

入れるだけであっという間にとろみがつくので、作る時間だって超短縮。

さらに、油を使わずに作れるので

うんとカロリーも抑えられるし、消化もよく、胃腸にも優しい!!

これなら、小さい子供から年配の方まで、みんなが食べやすい!!

ということで、今日のまとめです。

バターなしでおいしいホワイトソースは作れます。

ポイントは

ベースになる具材を煮こむときに、昆布やうまみの出るものを入れて

うまみのあるベースを作ること。

牛乳に片栗粉を溶かしたものを、最後に加えること。

口におなかにも体にも心にも優しいホワイトソースです。

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今日の「日めくりレシピ」は「じゃがいもとハムのグラタン」

奥薗流のホワイトソースを使った簡単グラタンです。

家にあるもので作れるところもうれしいところ。

「日めくりレシピ」は、PCでも見れるようになりました。

 

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奥薗壽子で検索してみてください。

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