家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト

ちょっと前にゴッホ展に言ったばっかりだったんだけれど
今日再び行ったのには訳があります。
一つは、同じ東京都美術館で
“刺繍 針がすくいだす世界”というのが始まって
これ、見に行きたいって、すぐに思ったのでした。
刺繍が大好きなのです
ゴッホ展にチケットでこちらも入れるという事が分かり
それなら、刺繡を見に行って、ゴッホももう一度見ようと思ったのでした。
上野に到着したのは昼前。
イチョウの黄色がとてもきれいです。


前回、当日券を買おうとしたら
チケットを書くだけで30分以上待ったので
今回はオンラインで買ったのは正解でした。
けれど、会場の入り口が、やはり長蛇の列て
これは、あ30分以上待つことになりそうだと思い
先に刺繍を見ることに
そんな軽い気持ちで入ったのですが
一目見たとたん
もうびっくりというか、思っている詩集の世界をはるかに超えているというか
どれも本当に素晴らしかった。
それぞれの作家さんの作品の中で
私が気に入ったものはこれ

平野利太郎 かたつむり
これ、今にも動き出しそう。
これ、刺繡?
とにかくリアルで、細かくて、絵とは違う立体感があって
それでいて、美しい。
なんか、とても不思議な感じ。

尾上雅野
毛糸みたいな太い糸で刺繍されていて
草原の葉っぱも一つ一つ糸で詩私有されているんだけれど
その上に描かれたきつねが
近くで見ると、ラフな感じで刺されているのに
ちょっと離れてみると、このきつねたちの躍動感が素晴らしい

岡田美佳 秋の日差し
おいしそうな食べ物を刺繍したものもあったのですが
私は、この秋の風景が、なんとも言えず、良いなって思いました。
高揚した木々に降り注ぐ秋の日差し
この柔らかい光と影がなんとも言えず、温かみがあって
しばしこの中で佇んでいるような気持ちになりました。

望月真理 象は森の王様
50歳を過ぎてからインドの刺し子に魅了されて、始められたのだとか
この作品は94歳の時に初めて1年は以上かけて完成させた作品なのだそう
刺し子って、刺繍とはまた違って
一針、一針紡いでいく感じが
まるで、深い祈りのような感じがして、
見ているだけで、何かじんわりと伝わるものがあって
94歳の時に作られた、この作品は
何かもう、崇高なものが宿っているとしか思えませんでした。
刺繍のような手仕事が大好きなので、
見たいみたいって、そういう気持ちだけで
何の予備知識もなく見に行ったのですが
見終わった後は
刺繍の概念が、完全に変わりました。
なんて言ったらいいんだろう?
絵とは違う何か
深い深い沈黙の時間を感じました
その音のない静寂の世界が
なんともいえず、やすらかで
やっぱり、祈りなんだろうな。
とても、深い所に沁みる感じがしました。
この刺繍展、ホント、おすすめ。
写真では、伝わらないと思う。
いや、ホント
素晴らしい世界でした。
さてさて、ゴッホの話は、また明日。
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