家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト

おすすめの映画を教えてもらってので
早速見て見ました。
「ハリケーン」
1938年制作のモノクロ映画。
タイトルがハリケーンなので
もう、見なくても、大体筋書き分かりそう‥。
って思いつつ、見てみました。
ところがどっこい
とってもシンプルなストーリーで
確かにハリケーンがやってくる話なんだけれど
根底には、なかなか深いものがある映画でした。
舞台は、南太平洋に浮かぶ小さな島
マヌクラ島
自然豊かで
神と人と海が共存しているようなのどかで美しい島
ところが、その島に
なぜかフランス総督と
フランスから派遣されてきている医者がいて
何か、それが小さな不協和音みたいなものを出している感じ。
例えば、冒頭の所で
カヌーを盗んだ青年に対して
フランス総督が30日間の禁固刑を言い渡すんだけれど
これまでなら、おそらく見逃してもらえそうなくらいの事なのに
情状酌量は一切なし
法で裁かれることになる。
そんな中
主人公のテランギ(一等航海士)は航海でタヒチに行き、
仲間と一緒に酒場でくつろいでいると
いきなり白人の男がやってきて
肌の色で差別をして乱暴に追い出そうとし、
席を譲ろうとしなかったテランギを殴ったことで
殴られたテランギは、やり返してしまう。
マヌクラ島はフランスの植民地であり
人種差別が普通にされている時代
テランギは、禁固6っか月を言い渡される
いくら何でも
悪いのは白人の方で、酒場の喧嘩で禁固6っか月は重過ぎる
(カヌーを盗んで30日と比べても重い)
このあたりから、
なんか心の中がザワザワし始めます。
何だろう?これ
肌の色の差別、植民地支配に加え
この法律って、一体だれがどんな基準で決めているのか
で、結局牢屋に入れられるんだけれど
全く承服できていないから脱獄するのよ。
それも、プリズンプレイクみたいな周到な脱獄ではなく
めちゃ、原始的なやり方で脱獄するから
すぐにつかまっちゃって、みるみる刑が加算され
とうとう禁固16年になってしまう。
この辺も、笑っていい所のような気もするんだけれど
なんか笑えない。
これって、なんかそもそもの所で
法律って、一体何?って思う。
法律って、誰が決めて、誰が誰を裁いているんだろう?
結局、脱獄するんだけれど
島にはフランス総督がいるから、戻るに戻れず
島の人たちが、別の島に逃がしてやるんです
そこで、ようやくハリケーン。
めちゃすごいハリケーン
島のなにもかもをことごとく壊していって
島の自然を破壊して
教会もぜんぶ破壊して…。
ここまでくると、正直
いったいこれは、どんな映画なんだ…って思い始めて
何なんだこれ…って心がザワザワし初めまして
もう一度最初から、ゆっくり考えてみたわけですよ。
神と自然とともに平和に暮らしていた島の人が
なぜ、植民地支配されなければならなかったのか
なぜ、自分たちの掟とは違うルールで裁かれなければならないのか
罪とは何か、罰とは何か
そう考えると
人が人を支配するって、なんて理不尽なんだろうと思えてきて
また、
最後のタイフーンも
全部のみ込んで壊していく。
戦うことを望んでいない人たちの
平和な島が、ことごとく叩き潰される
これって、一体どこに救いがあるんだろう?
でもね、よくよく考えてみると
映画では、タイフーンですが
現実では、人が科学兵器を使って同じことをする
1938年に作られたこの映画は
その事を予言しているのかもと思ったり。
時代的に、戦闘兵器が開発された時代です。
海で暮らしていた人を、空から攻撃して壊滅状態にする
こういうことが、実際に起こっている
素朴でコミカルで平和なシーンもある一方で
何か、深いところで、警笛が鳴らされている
そんな気がしました
この映画が作られてから90年くらいたち
人は、この間、何を学んだんだろうか
どれだけの豊かなものを自分たちの手で壊していったんだろうか
そんな事を思ったりもしました。
なんか、ざわざわと感じることはあるのですが
なんともうまく言葉にできない作品でした。

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