でいりいおくじょのBLOG

2025.10.27

撃沈とたい肥の話

今日は詩の講座です。

 

詩の講座は、一つ山を越えたつもりだったので

もう落ち込む込むことはないと思っていたのですが

今日もやっぱり撃沈しました。

 

人間できてないわ、私。

 

課題として提出した詩を

一つ一つ先生が講評されるんだけれど

 

上手い人はめちゃめちゃ上手く

そういう人の詩は、当然ながら、先生大絶賛!

 

それはもう、私とは別の世界の話だから

羨ましがったりはしない。

 

先生が大絶賛されない詩でも

どこかにいいところはあって

ここの、この言葉がいいとか

この表現がいいとか

何かしら、褒められるんです。

 

表現の仕方や、言葉の使い方で褒めなくても

全体の流れがいいとか

そういう褒め方をされる詩もある。

 

褒めなくても、

ここをもう少し考えてみてください

みたいなアドバイスをされることもある。

 

ところが私の詩は

書いた詩について、一言も触れてもらえず

別の話をされて、終わった。

 

なんで?

 

あの・・・・詩、書いたんですけど‥。

一応、詩、提出したんですけど‥。

 

と言いたくなった。

 

でもまあ、つまり、そういう事なのよ。

 

全く、いいとこなし

触れるべきことは何もないってことなんだろう。

 

・・・・・。

 

自分では、かなり努力をした

毎日、詩を読んで、書き写して

課題の詩も、いくつも書いて

何度も書き直して

できる限りのことはした

 

でも、努力は報われない

良いところが一つもないとはね。

 

そんなことある?

 

今日は、久しぶりに泣きながら帰った。

 

駅から家までの帰り道

ちょうど雨が降ってきたから

傘もささず

ボロボロ泣きながら

ずぶ濡れになって帰った。

 

2年前、教室に通い始めた頃

毎回、こうやって泣きながら帰った

あの頃を思い出すなあ。

 

結局

あの頃と何にも変わっていないという事か‥。

辛いなぁ。

 

ところが!

 

その後、ご飯を食べながら

今日の講座の事をいろいろ思い出していたら

講座の一番最初に先生が言っていた

たい肥の話を思い出した。

 

有機栽培のりんごって

全部収穫しないで、半分残し

その半分がやがて枝から落ちて土にかえり、たい肥となって

次の年のりんごを美味しくする‥と。

 

待てよ。

冷静になって、静かに、ゆっくり考えるんだ。

 

この話は何なんだ。

 

落ち着いて、最初からゆっくり考えるんだ。

考えるんだ

考えるんだ。

 

・・・・・・・。

 

・・・・・なるほど

 

私の書いた詩は、言って見れば、まったく収穫してもらえなかったけれど

たい肥にすることはできる。

 

そうか

 

この悲しさと、この悔しさと、この苦しみを

たい肥にできるかどうか

 

それは、

このことを、私がどうとらえるかにかかっている。

 

ゴミだと思って捨てるのか

たい肥だと思って、大切にゆっくり発酵するのを待つのか

 

たい肥にするには時間がかかる

それが待てるかどうか

 

そうか

それが試されているんだ。

 

中途半端な気持ちでは、たい肥は作れない。

 

待つ覚悟

うん、それが試されている。

 

詩が書けない苦しさから逃げないで

眼をそらさないで

しっかり向き合って、書き続けたなら

 

その悔しさや、苦しさや、悲しさは

やがて、ゆっくり発酵して

詩を書くための、大事な栄養になる

 

そうだ。

 

大事なのは

それを信じられるかどうか

 

信じて、ここで踏ん張れるか。

 

どうだ、私?

 

コメント

  1. きみ田中? より:

    有機栽培のりんごで思い当たりました。
    柿もです!
    この時期あちこちの庭などで、毎年たわわになるのに放置されているのを見て、柿好きの主人ともったいないと思っています。

    これもある意味、贅沢な有機栽培ですね。

    1. 奥薗壽子 より:

      コメント、ありがとうございます。
      柿もそうですね~~。うちの近所にも、たわわに実った柿が、そのままになっているのを見かけます。
      柿って、木守りと言って、昔から全部収穫しないで、自然の神様や、鳥たちのために残しておく習慣がありますね。
      やっぱり、自然って、見えない力でつながっているんですね。

  2. Amy より:

    有難うございます。よいお話を聞きました。林檎狩に行くといつも、落ちている林檎が可哀想に思えていたのです。でも、落ちた林檎も必要なお役目を果たしていると知り安心しました。昨日はこの秋、9つ目のアップルパイを焼きました。林檎は年中あるのに、今焼きたい!が止まりません。奥薗先生、ご縁のあるものはいつか必ずやって来ます。ノンビリいきましょう!

    1. 奥薗壽子 より:

      9つ目のアップルパイ!!
      ああ~~っ、ご近所なら、いただきに行きたいです。良いなあ~~。
      アップルパイのいい香りが、文字から漂ってきています。
      ご縁!!そうですね、ご縁があれば、自分で無理に繋がろうとしなくても、きっとつながっていきますね。

  3. ふじの より:

    詩は本当に難しいです。でも一篇の詩が、誰も今まで書いたことのない詩が生まれて来たんです。もちろんたい肥になるのもいいかもしれないけれど、でもかけがえのないものなんです。どうか、その詩を抱きしめてください。よく来たねと言ってください。そしてその詩をそばに置いてください。いずれその詩が、いや、本当にその詩がきっかけに、礎になって、何かが生まれるかもしれません。評価をされる詩も素晴らしいですが、誰に認められていなくても存在する、その詩が私は愛おしくてなりません。奥薗さんしか書けない詩ってあるんです。絶対。それに気づくまでには時間がかかるかもしれないけれど、まずは生まれて来た詩を祝福してください。私はそう思いますしそうしています。

    1. 奥薗壽子 より:

      ありがとうございます。
      コメント読んで泣きました。感謝です。
      前にも書いたことがあるかもしれませんが
      そんな嫌だったら、やめればいいやんって自分に言うと
      やっぱ、やめたくないってもう一人の自分が言うのです。
      本当に、困ったもんです。自分の中の自分が、相変わらず暴走しています。
      おっしゃる通り、暴走している自分と、自分の詩をいとおしく思ってみることですね。
      本当にそうですね、ありがとうございます、感謝です。

  4. 久海 より:

    同じ思いをしたことがあります。
    しかし、泣くほど真剣に向き合ってはいなかったかも知れません。
    奥園さんは凄いです。

    しかし、ちょっと待ってください。
    詩ってだれのために書くんですか。書けと言って強制されたのですか。
    私は書きたいから書いています。誰に見せるあてもないけれど、毎日毎日書いています。

    誰に褒められるためでもありません。褒められたからといってそれが何なんでしょう。
    褒められるために書くんですか。もしそのように書いて褒められたとしても、そんなものろくなもんじゃない。

    上手いか下手かなんてものもありません。自分の書きたいことが書きたいように書けているか。
    それだけが大事なことです。

    書きたいように書けたものが褒められないなら
    それは、誰にも似ていないあなたのオリジナルが書けたと思って喜んでください。
    そこにあなたの読み手がいないだけ。そこにいる読み手の種目に合わないだけ。
    あなたの「ほんとう」が書けているなら、受け取るべき人には必ず届きます。
    あなたはあなた。誰のコピーでもありませんし、だれのコピーになってもいけません。

    「上手でキレイ」なだけの詩が書きたいなら。
    技術みたいなもんはあとでもいくらでも。

    えらそうなことを書いてしまいましたが、わたしの心境です。

    1. 奥薗壽子 より:

      コメント、ありがとうございます。
      書いてくださったこと、一つ一つ、まったくその通りで
      うんうんって思い、やっぱり泣きながら読みました。
      なんで、書いているのか分からないんだけれど
      もう、詩から離れられないみたいです。その事だけは、自分ではっきりわかります。
      ****************

      私は、まだまだ人間ができていないようです。
      いろんなことで、心を惑わされてて
      自分を見失います。
      ホント情けないです。

      いろいろアドバイスいただき、感謝です。

      1. 久海 より:

        奥園さま

        通われている詩の教室が合わないのではありませんか?
        わたしもさる詩の教室で、深い思いを込めて書いた詩を全くの表面でしか読まれず、
        短い詩の中に違う意味を象徴させて三度同じ言葉を使ったものを、「一回でいい」
        と断じられものすごく傷つきました。消されていい言葉じゃなかった。

        奥園さまのお気持ちよく分かります。
        とてもとても。
        お伝えしたいことがあります。
        よろしければ、ダイレクトメールをいただけたら「無視される」その体験についても
        分かち合えるかと思います。
        奥園さまは一人ぼっちじゃありませんよ。

  5. 久海 より:

    奥薗さま

    さすがに見ず知らずの人間にⅮⅯなんて、大変失礼いたしました。
    最後のご質問にお答えしていませんでしたね。
    受講料を払って受講されているのですから、コメントはあって然るべきと考えます。
    だから私ならばコメントがあろうがなかろうか、受講料に含まれているなら送ります。
    どれだけ自分の作品と関係ない話をされるのか毎回ワクワクしています。

    1. 奥薗壽子 より:

      コメントありがとうございます。

      今、私に必要な事は
      自分の中にいる、本当の自分と対話することだと気付きました。
      もう一度、静かに、自分と向き合ってみようと思います。
      ありがとうございました。

きみ田中? へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「送信」ボタンを押してください。

PageTop