家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
昨日の、東京都写真美術館の続きです。
私は、もともと写真を見るのが好きなんです。
絵を見るのも好きなんだけれど
写真を見るのも同じくらい好き。
写真には、絵とは違う何かあって
そこに強く惹かれているきがするのです。
ところが、昨日は
これまでとは、違う衝撃を受けました。
っていうか
私、始めて写真美術館に行ったのですが
それがもう想像以上で
正直、ものすごく衝撃を受けたんですよ。
何をそんなに衝撃を受けたかというと
写真の持っているエネルギーみたいなのが、すごかった。
絵だと、描いた人を一度経由するので
そこでいったん、息ができるんだけれど
写真だと、ストレートにバーンとくる感じ。
しかも、
そこでとらえている一瞬に
いろんなものがバーッと入っていて
それが、見ているこちらの方に、すさまじいエネルギーで向かってくる。
いやぁ、すごかった。
素晴らしい写真って、こういう事か~~って
上手く言えないんだけれど、やられました。
今回、私が一番衝撃を受けたのはこの写真
見た瞬間に
金縛りになったみたいに
魂が持っていかれる感じがしました。
ぞわぞわするんだけれど
なんか動けないの。
この人の中の、なんとも言えない感情が
静かに、けれど強烈に迫ってくる
悲しいの、寂しいのか、絶望しているのか
虚無なのか
あるいは、何かかすかに光を見ているのか
なんなんだろう・・・これ・・。
小さな花がついた結婚指輪?
そして、少しはだけたような薄い服
それも、何かぞわぞわする‥。
その時
一緒に行った友人がつぶやいたんです
「祈り…」
ああぁ・・・・そうか
そうかもしれない
祈り‥そう祈り・・。
祈りって、たぶん、こういう事なんだと思う
自分のことを願うんじゃなくて
自分の大切な誰かを想っている、そんな感じ
夫か、子供か
もしかしたら、その人は亡くなっているのかもしれない
そんなことを思ったりしました。
一枚の写真がなんとも雄弁に語っていました。
この写真だけでなく
どの写真も、どの写真も
こんな感じで、ものすごくたくさんのことを語っていて
たぶん、それこそが、不易流行
時間がたっても変わらないもの
そこから吹いている風
変わらないものと、変わりゆくもの
人間の中に潜む、本当のなにか
言葉ではうまく言えない何か
たくさんの、そんなコトバのシャワーを浴びました
この展覧会
6月22日までです。
もう少し早く知っていれば、もう一度見たかったな。
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