でいりいおくじょのBLOG

2020.02.19

読書日記「子供の頃から哲学者」

最近、哲学に興味がある

な~んて書くと、なんかまた小難しいことを…

と思われそうですが

哲学というものの概念が、ガラッと変わる本に出会ったからなんです。

 

「はじめての哲学的思考」(苫野一徳著 ちくまブリマー新書)

「子供の頃から哲学者」(苫野一徳著 大和書房)

 

初めに読んだのが「はじめての哲学的思考」の方

 

この本は苫野一徳さんが、Webサイトで連載されていたものに大幅修正加筆されたもの

 

とにかくこのWeb サイトがすごく人気で

とにかく文章が読みやすく、難しい哲学をものすごくかみ砕いて説明してくださるので

私のような哲学初心者でもすごく読みやすい。

 

この本によると

哲学というのは、答えの出ない分からないようなことを、

ぐるぐるぐるぐるこねくり回して考えることではなくて

きちんと考え抜いて、本質となる答えをを導きだすこと。

究極の思考法なのだそう。

 

でも、ただやみくもに考えているだけでは答えが出ないけれど

考え方にはコツがあって

そのコツを知り、物事の本質をとらえること、それが哲学なのだと。

 

実は、私自身、とことん考えてみたいテーマがあって

 

何のために食べているのか

なぜ料理をするのか

美味しいってどういうことか

 

今一度初心にかえって、そもそものところから料理について考えてみたいと思っていたのです。

 

それで、1冊目を読んで、もっと知りたくなって

2冊目「子供の頃から哲学者」に突入。

 

こちらの本の方が、うんと読みやすいです。

こちらの本は、著者の苫野一徳さんのがなぜ哲学者になられたのか

というご自身の半生を描かれていて

小説を読むような面白さでした。

 

悩んで悩んで、躁うつ病にもなって苦しんで

それでも、考えて、考えて、考えて、考えて

そうして、少しずつ光を見つけていく様は

本当に、すさまじいものがありました。

 

様々な紆余曲折の後、ようやく哲学者になることを決めた著者に課された課題は

世界の名著シリーズのの中の哲学書60冊を一年間で読み

1冊につき2~3万時くらいで詳細なレジュメを作るというもの。

 

それまでのもがき苦しんでこられた時間と

そこからの哲学三昧の時間と

そこで、たどり着かれた哲学者の言葉や考え方は、どれも素晴らしく

読んでいる私自身も救われていきました。

 

 

ルソーの言葉

「私たちの欲望と能力との間の不均衡のうちにこそ、私たちの不幸がある」

 

わかるわかる。

もっとバシッと味を決めたかったのに、作れないとか

もっと段取りよくやれたらいいのに、思った以上にもたもたしてしまうとか

そういうこと、あるあるある。

 

この不幸を抜けだす3つの道があると、苫野さんは言う

1.能力を上げるか

2.欲望を下げるか

3.欲望を変えるか

 

これを料理に置き換えれば

料理の腕を上げるか、現状の料理で満足するか

あるいは、もっと簡単な料理に変更するか

 

タシカニ、タシカニ。

 

「可能性を持って来い、可能性のみが唯一の救いだ」キルケゴール

 

本やネットで、料理にコツを調べる

そうすると、自分がなぜ、うまくできないのか、その原因を知ることができる

原因がわかれば、もっと上手に作れる可能性を見つける。

これは、救いだ。

 

「いいからとにかく遠くを見ろよ

人間の目には、こんな近距離を長く見れるようにはできていない」アラン

 

そう、できないできないと思ったり、また失敗したらどうしようなんて思うと

ますます苦手意識が高まって、ますますうまくいかなくなる。

深呼吸して、いったんそこから離れて買い物に行ったりすると、

意外に気持ちが楽になって

美味しいものが作れることもある。

 

哲学ってすごい。

確かに、考え方を変えれば、気持ちが変わる

 

哲学って、へ理屈ばっかりで難しいものだという概念が吹っ飛ぶ。

 

「良い思考はシンプルであり、だれでも理解できて、使いこなせるものである。

たれでもが納得できるシンプルな考え

そうして、何が問題なのかを、根本から解き明かす

これが、哲学的思考」苫野一徳

 

ありがとう、いい本に出合えました。

2020年2月18日子供の頃から哲学作y

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