でいりいおくじょのBLOG

2015.11.30

鶏とかぶのポトフ

先週の“日曜美術館”は、

天才アラーキーこと、写真家の荒木経惟氏を追ったドキュメンタリーで

奥さんの死、自身のがん、右目の失明など

あらゆる困難も、すべてを写真を撮るエネルギーにかえてしまう

その生命力というかパワーに圧倒されて

今日の夜の再放送も見てしまいました。

天才アラーキーという呼び名は、あまりにも有名なので

私も以前から知ってはいましたが

取られた写真とかは、ほとんど見たことがなく

荒木氏のこともあまりよく知らなかったのですが
 

先週の放送を見たとたん

北斎みたいな方だなあと、とっさに思いました。
 

杉浦日向子さんの「百日紅」という漫画に出てくる北斎を思い出したのでした。
 

歳を重ねても、

あらゆることに興味のアンテナを持っていて

好奇心の旺盛さは全く衰えることがなく

とにかく、あらゆることを面白がる。
 

頭の中も、心の中も、

固定概念とか、境界線とか、分類分けとか

そういう区別する概念がなく

上下も、優劣も、好き嫌いもない。
 

目に見えない垣根や境界線を作って

自分で、自分を小さな世界に押し込めて、小さく収まってしまうのが凡人だとすれば

天才というのは、最初から垣根も、境界線も、何にも持っていない人のことを言うのかもしれません。
 

荒木氏いわく
 

最近ラジオ体操を始めたんだけど

大事なのは、やっているということではなく

続けるってことなんだよね。
 

荒木氏にとって

息をし続けるってことと

好奇心を持ち続けるってことと

ラジオ体操をし続けるってことと

写真を撮り続けるってことが

すべて、同列に並んでいるようで
 

そんな風にやり続けられるってことが天才なんだと思うけど

私も、好奇心を持ち続けたいと思いました。

それが毎日毎日料理を作り続ける原動力になり

それが、一つの境地にたどり着く道筋なのだと思ったのでした。
 

さてさて、

そんなわけで、今日の夕飯は、鶏とかぶのポトフを作ってみました。

毎日、好奇心を持って、料理をし続ける。

息をするように、自然に自然に、料理をし続ける。

かぶって、大好きなんだけど

出回る時期が、案外限られていて

常に、スーパーに並んでいるわけではないですが

最近、うちのスーパーでは売っていることが多いです。
 

かぶって、実のほうと葉っぱのほうと

一束買うと根菜とは野菜と2つ楽しめるのでお得だと思うんですね。

だから、見つけたら、私はいつも買い!
 

かぶって、昔ながらの料理本には、皮を厚めにむくように書いてあるけど

最近は品種改良が進んだので、

昔みたいに、皮の繊維が口残ることってないと思います。

むしろ、皮をむかないほうが、煮た時に煮崩れしないのでいいと思っています。
 

こっくりと濃いめの味で煮るより

薄い味でさらっと煮るほうが、株の味や香りがしておいしいと私は思います。
 

鶏とかぶのポトフは、

大振りに切ったかぶと鶏を煮ただけのスープですが

とろりと煮えたかぶの、食感と風味が絶品なのです。
 

一応作り方を書いておくと

土鍋に、水と昆布と煮干し(ほんの一つまみ入れるとぐっと味に深みが増す)を入れて火にかけ

沸騰したら、一口だに切って塩をもみ込んだ鶏肉をいれ

鶏肉の色が変わったら、大降りに切ったかぶもいれ

蓋をして2~3分煮たら、あとは火を止めて10~20分くらい置くだけ。
 

かぶって、コトコト煮ると煮崩れやすいのですが

余熱調理にすると、煮崩れないのがいいところ。
 

その間に葉っぱの下処理。
 

葉っぱも、料理本にはさっと下茹でするように書いてあるけど

かぶってアブラナ科の植物なので、小松菜とかと一緒で

アクがないので、下茹でする必要はなく

そのまま、直接煮てもいいのですが

そうすると、せっかくのおいしいスープが、ちょっと青臭い葉っぱの味になっちゃうので

私は、ざく切りにした葉っぱを軽く塩でもんでから加えます。
 

塩もみすることで、葉っぱの青臭さがなくなるのです。
 

これなら、下茹でするよりうんと簡単。
 

さて、食べるときは

ふろふき大根みたいに、田楽味噌をつけてかぶを食べたらおいしいんじゃないかと思ったんだけど

大根に比べて、かぶってうまみも甘みも強いので

予想に反して、田楽味噌が全く合わず

むしろ、ポン酢や、梅干しをスープに溶かして一緒に食べたりするほうが、

うんとおいしかったです。

何事も、やってみないとわからないですね。
 

具材を食べて、残ったスープはご飯を入れておじやに。

ここでも、かぶのおいしさが大活躍。

かぶ、本当にお得感いっぱいの野菜です。
 

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