でいりいおくじょのBLOG

2023.03.26

映画日記「ペーパームーン」

ちょっと前に読んだ「文にあたる」という本の中に

「ペーパームーン」という映画の話が出てきました。

 

「ペーパームーン」の中に登場する2人を

親子といっていいのだろうか?

と、疑問を持ったという話。

 

親子かどうかがわからない?って

いったい、どんな状況?

 

ずーっと気になっていた映画

やっと見ることができました。

 

ストーリーはこう

 

時は1930年代アメリカ。

 

少女アディは、母親を車の事故で亡くして孤児になり

母と付き合っていた男性、モーゼの車で

親戚のおばのうちまで送ってもらうことになります。

 

モーゼは母の元カレなので、もしかしたらエディーの父親かもしれない

そういえば、あごの形が似ている…

 

ところでモーゼの仕事は詐欺師です。

そんな男の車に乗って大丈夫か?

って、そっちの方が気になります。

 

案の定、叔母の家に行くまでの道中で

アディ―を利用してお金をだまし取ったり

ちっちゃな詐欺でお金をちょろまかしたり

 

しかし、モーゼって詐欺師といってもちょっと抜けていて

けっこう、頼りないの。

よく言えば人が良くて、悪人ではないです。

 

一方アディ―はしっかり者で頭の回転が速く

時に、アディ―の機転によって

うまく詐欺を成功させたりしてしまうんです。

 

モーゼが女性にうつつを抜かした時は

アディ―の知略で別れさせてしまったりもします。

 

アディ―、あ、あんた~~~、すごいな。

って何度も思う。

 

その後も

いろいろすったもんだあり

めちゃめちゃ危ない目にも合うんだけれど

 

なんとか、最終的には、おばさんの家までたどり着きます。

 

そこから先の結末は

ネタバレになるので書きませんが

(ああ~~~書きたい~~~~~~)

いい余韻が残る終わり方です。

 

さて、最初の疑問です。

アディ―とのモーゼは親子なのか?

 

結論を言ってしまうと

はっきりした答えはわかりません。

 

でも

最後まで見ると

正直、親子がどうかは、どうでもよくなっちゃう。

 

最初に流れる歌、これがすべてを物語っています

 

*********************

ボール紙の海に浮かぶ紙の月でも

私を信じていれば、本物のお月さま

 

(中省略)

 

あなたの愛がなければ何もかも偽物

愛がなければ、安っぽいメロディー、うつろで儚いサーカス

でも、あなたさえ信じてくれたら‥。

 

******************

 

最後まで見終わって

もう一度この歌を聞くと

なんかもう胸がいっぱいになるというか

泣きましたです、はい。

 

つまり

私を信じてくれること

それだけを望んでいるんです。

 

それも、

あなたさえ、自分を信じてくれたら

それでいいって言ってるんです。

 

つまり、本当の親子でも、そうでなくても

自分のことを信じてくれたら、それが本当になると。

 

つまり

突き詰めていけば

愛のいちばん核となる部分って、そういう事なんじゃないですかね

この人といれば幸せだって信じられること

 

そこからしか始まらないと。

 

どんな贅沢なものを持っていても

どんな快楽を味わっても

信じられなければ、それはむなしいだけ。

 

この人と一緒にいれば、大丈夫だと信じられることって

愛の最初であり、愛の究極の形だと思う。

 

特にこの1930年代アメリカというのは

世界恐慌の真っただ中で

禁酒法が施行されているのにもかかわらず、

逆に闇のお酒が売買され

マフィアと警察が手を組んで私腹を肥やしている時代。

何を信じていいのかわからない時代

 

誰かを信じる

誰かに信じてもらう

このことが、ものすごく大きな意味を持っていたのかもしれません。

 

 

エディーとモーゼは

親子であり、恋人であり、友達であり、相棒でもある。

 

以前「LEON」を見た時

究極の愛って、こういう事だなって思ったけれど

 

このペーパームーンのふたりも

それに近い、愛の物語でした。

 

究極の愛

いいなあ。

 

なんかちょっと、人恋しくなるような映画でした

おすすめです。

2023年3月25日ペーパームーン

コメント

  1. ぶんすけ より:

    いつも見てみたくなる映画のご紹介ありがとうございます!
    ペーパームーンは、松本人志さんがおすすめ映画として紹介していたのを覚えています。
    見るのが楽しみです!

    1. 奥薗壽子 より:

      とってもいい映画なので、本当におすすめです。
      なんか、じわっと心にしみるような映画で
      見終わってしばらくたった今でも、なんか心の中にそれが残っていて
      あの2人は、今頃どうしてるかなあ、なんて思ったりします。

  2. ママデューク より:

    近所のGEOにDVDがあったので借りて観ました📀
    シーン的にもいいシーンがいくつかあり、最初はいがみあっていた2人が旅をしていく内に親子恋人友達詐欺師の相棒色々な意味で必要不可欠なパートナーになっていく感じがとても上手く描かれていてとても面白かったです🎞️聖書販売詐欺や釣り銭詐欺なんかもコミカルで、意外に迫力のあるカーチェイスや格闘タイマンまで盛り込まれているのも楽しかった🎞️ここで紹介されなければ多分観なかったので観れて良かったなぁと感じました🎞️ありがとうございます🙇‍♂️

    以下は観た感想です🎞️
    それでは良い映画を沢山観て良い人になって下さいね😉サヨナラ・サヨナラ・サヨナラ👋足立区一のお調子者f@

    「ペーパー・ムーン」(監督ピーター・ボグダノヴィッチ 103分)
    話の内容は、母親を亡くした女の子が、詐欺師の男に連れられて、行く先々で詐欺をしながら、ミズーリ州の唯一の肉親の伯母の家に送ってもらう話
    母親の墓場での葬儀の時に、遠くでヘンな音をさせながら、モーゼの乗った車がやってくる遠景シーンが良かった
    アディを連れての聖書販売詐欺がコミカルだった(特に家の中から保安官が出て来てモーゼが捕まりそうになった時にアディが可愛い娘を演じて逮捕を切り抜けるどころか保安官に相場の8ドルでなく12ドルで聖書を売りつける演出や子沢山の未亡人からは金をとらなかったり、宝石ジャラジャラの金満未亡人には24ドルと高額で売りつけるアディがコミカルだった。アディの観察力の高さも良かった)
    釣り銭ごまかし演出も楽しかった(話しながら何回もお釣りを交換して釣り銭をごまかしたり、モーゼが先に20ドル札で買い物してアディが5ドル札で買い物したのに20ドル札で買ったとゴネてモーゼの20ドル札で支払ったと騙す詐欺(モーゼの20ドル札にはアディの叔母のアディへのメッセージが書かれていてアディがモーゼの20ドル札で支払った証拠になる)や移動遊園地の屋台のオジさんにアディが当たり前のように釣り銭詐欺をする演出なんかがコミカルだった)
    アディを詐欺師の相棒として認めた後、アディを可愛い娘と装わせる為モーゼがアディに大きなリボンを買ってあげるが、ムスッとした表情でリボンをつけてるアディが可愛かった
    タバコを吸うアディ、ラジオ放送のコメディや音楽が好きなアディが良かった
    夜にアディが香水をつけるが、翌朝車の運転中にモーゼが香水の香りに気づくが臭いと感じて車のフロントガラスを開け、アディがムスっとする演出がコミカルだった(アディの女心に鈍感なモーゼがコミカルだった)
    移動式遊園地の奥にアトラクションが動いているシーンがシーン的に良かった
    モーゼが移動式遊園地の出し物で知り合ったダンサーの女の為に、車を買い替えたりドレスを買ってあげたりする演出が観ていて楽しかった
    ダンサーの付き人の黒人女性が味があって良かった
    車で走ってる時のモーゼとダンサーは笑いながら話しているのに、後部座席の黒人女性の付き人はうんざりしていて、アディは険しい顔をしているショットが良かった
    車を止めた小高い草原(くさはら)の丘のシーンがシーン的に良かった
    一旦部屋を出たアディがペロリンキャンディを取りに戻って、又部屋を出ていくのが可愛かった
    ダンサーとホテルのフロントとの浮気を、付き人の黒人女性と協力して画策し、浮気現場をモーゼに見せてモーゼとダンサーを別れさせるアディの計略が楽しかった
    アディの観察力で、酒の密売人を騙して、密売人に酒を売って大金を得る演出がハラハラ感があった
    騙された密売人の弟が警官で、モーゼを逮捕して警察署に連行した時の、騙し取った金のありかがバレるかどうかのハラハラ感が良かった(密売人の弟の警官がアディのゲーム機を叩き割った後、金を隠していたアディの小物入れの中身を全部出すが金は出てこず、金を隠していたアディの帽子もとって床に投げるが金は帽子の中に入れられていて出てこず、アディが帽子や小物を片付ける時に車のキーを取り返し、トイレに行くのでモーゼについて来て欲しいと頼んでトイレに行くと見せかけて走って逃げる時の金が見つかるかどうかのハラハラ感と警察署から逃げ出せるか?の緊迫感が楽しかった)
    警察署から車で逃げ警察の車に追われる意外に迫力のあるカーチェイスや、車交換の時の農夫とのレスリングでのタイマン格闘や、ミズーリ州まで逃げ切ったと思っていたら泊まっていたホテルの前に密売人の弟の警官達が待ち構えていてモーゼが走って逃げるシーンなんかも盛り込んでいたのが楽しかった
    最後ナントカモーゼがアディを叔母さんの家に届けるが、アディは優しい叔母さんの家を抜け出し、モーゼの所にやって来て、アディがモーゼに「まだ200ドルの貸しがある」と言ってモーゼと一緒にオンボロトラックに乗り込み、遥かな1本道を走り去っていく遥かな1本道のラストシーンがシーン的に良かった
    全般的に
    アディの機転でモーゼが助けられていく内に、アディがモーゼにとって必要不可欠なパートナーになっていく感じが上手く描かれていた
    ラストモーゼはアディが必要だけれどフツーに幸せになって欲しいと思い一緒に来るのを拒否するが、アディは「200ドルの貸し」をモーゼと一緒に行く理由にしたり、オンボロトラックが走り出して否応なしに一緒に乗り込んでモーゼと一緒に出発するという終わり方がボク的にはとても良かった
    シーン的にもナカナカいいシーンがあり、カーチェイスやタイマン格闘なんかまで盛り込み、ボク的にとても楽しめた作品

    1. 奥薗壽子 より:

      見て下さってありがとうございます。
      古い映画なので、借りるも大変でしたよね。わざわざ借り手まで見て下さったことに感謝です。
      見どころはたくさんありますよね。
      中でも、アディがかわいくて、めちゃ魅力的。そこもこの映画の見どころだと思いました。
      それにしても、感想がすごい!!!

  3. ママデューク より:

    「ペーパー・ムーン」Amazonプライム・ビデオにあるけれど有料で、近所のGEOの方が安く借りられたのでGEOで借りました📀
    アディ役の女の子はとてもチャーミングでしたね🎞️モーゼ役の俳優さんとアディ役の女の子は本当の親子だったみたいです🎞️どおりで「あごが似ていた」訳です(笑)
    実の親子をキャストしたというのも、ピーター・ボグダノヴィッチ監督のある意味演出だったのかな?とボクは感じました🎞️
    それにしても良い作品を教えて頂きありがとうございました🙇‍♂️良い作品なのでついつい感想も長くなってしまいました🙇‍♂️それでは失礼致します🙇‍♂️足立区一のお調子者f@

    1. 奥薗壽子 より:

      ええええええええええ~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!!!
      本当の親子!!!!!!!!!!
      たしかに、あのあごの形は探して、探せるもんではない
      すごいねえ。
      教えて頂き、ありがとうございます。
      なんか、楽しい~~~~~♪

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