でいりいおくじょのBLOG

2016.04.15

マーボー豆腐で辛みと遊ぶ

ありがたいことに

またしても、家庭の医学から難しい料理の依頼をいただき
 

ここ数日は、ああでもない、こうでもないと頭を悩ませています。

こういうのって、台所に一人閉じこもって

ひたすら延々料理を作り続けたからといって

必ずしも、いい料理ができるとは限らないというのが、難しいところ。
 

全然関係ない本を読んでみたり

お散歩に行ったり、

試作とは、まったく違う料理を作ってみたり。
 

そんな、無駄な遠回りをする方が

ひらめきの神様は降臨しやすいんじゃないかと、ひそかに信じているのです。
 

そんなわけで、今日の夜ご飯は、マーボー豆腐を作りました。

前日食べたマーボー豆腐がおいしかったので、

復習も兼ねて作ってみたかったのです。
 
 

豆鼓と大量のラー油、おいしい豆板醤、そして中華料理に欠かせない甜麺醤

こういうのを入れたら、きっとそれっぽい味になるだろうなと思ったのだけれど

それでは、お店の味を家庭で再現しただけで

(それは、それで、いいとは思うんだけど)

特別な調味料を使わずに、それっぽい味にできる方が、

家庭料理として、断然達成感があるような気がして
 

豆鼓も甜麺醤も、使う気満々で買ってきただけれど

やっぱり、使わずに作ることにしました。
 

実は、豆鼓って赤みそにすごーく近いなあと、前々から思っていて
 

実際赤みそに、みりんとはちみつを混ぜ混ぜしてみると

甜麺醤にも、すごーく近く、豆鼓にも近い!!
 

いやいや、赤みそだって、そうそう普通の家にはないかもしれませんが

確率的なことを言えば

豆鼓や甜麺醤よりは、確実にあるんじゃないですかね。
 

それに、買うのだって、豆鼓や甜麺醤よりは買いやすいし

使い残したものも、田楽みそや、みそ汁、炒め物など

豆鼓や甜麺醤よりは、使う方法がイメージしやすい。
 

実際、赤みそを混ぜ混ぜして合わせ調味料にしてみると

うん、なかなかいい味です。
 

さてさて、今日私はこのマーボー豆腐の中で

ちょっと試してみたいなと思ったのが、辛みの掛け算。
 

私は、これまでシンプルな味付けが好きで、それを目指してきたので

ピリ辛にするときも、あれやこれやと混ぜることはあまりせず、

唐辛子ならトウガラシ、胡椒なら胡椒

一つの料理に使うからみは、限りなく一つ。

複数のからみを使うことは、積極的にはしてこなかったのです
 

今回、本格的なマーボーを食べてみて

辛みって、混ざり合うことで、なんと饒舌な世界が広がるんだろうとびっくり
 

からみの掛け算の世界は

適当に混ぜても、ある程度、うまく調和をしてくれるのか

あるいは、オーケストラのように

指揮者によって、調和の仕方が変わってくるものなのか。

それが、どうしても知りたくて、やってみたかったのでした。
 

使った辛みは

豆板醤、こしょう、ラー油、粉山椒、花椒、鷹の爪、しょうが
 

これらを適当に入れてみると

なんだかとっても楽しい!!
 

さらに、適当に入れたのにもかかわらず

辛みどおしが、見事に調和の取れた世界を形作り

それぞれの辛みが、口の中で、なんとも複雑な奥行きのある世界を作り上げてくれたのでした。
 

例えば、塩味でも

塩、しょうゆ、みそを合わせ技で味つけすると

なんとも、奥行きのある味わいになるのですが

辛みの場合は、もっともっと複雑な世界を展開してくれます。
 

辛みって、なんて饒舌な調味料なんだろう

それが、私の正直な感想です。
 

辛み調味料って、単に口の中がピリピリするだけでなく

口の中を多次元空間に変え

本当に、饒舌に語り始めるのですね。
 

ピリピリするからさの辣(ラー)

スースーするからみの麻(まー)
 

実際は、そんな単純な事じゃない。
 

また一つ、料理の世界の奥深さを垣間見た感じ。

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