でいりいおくじょのBLOG

2016.04.23

読書日記「今ごはん、昔ごはん」&カツオのからし酢味噌サラダ

京都生まれ、京都育ちで、東京在住 亀好き

しかもやたら料理好きで食べることが好き。

私とすごく似ている部分が多いなあというのが、
 

松井今朝子さんの最初の印象。

初めて読んだ本は、「今朝子の晩ごはん」という本で

某テレビ番組を忠実に再現して作られる晩ごはんを

延々書いたエッセイなんだけど

番組のモニター?と思えば、なんて優秀なモニターなのかしらと思えるけど

料理のレシピに対する著作権とか、そういうのもちょっと心配になったり。
 

とにかく、まあ、強烈なキャラクターの方なのですが

こういう強烈なキャラというのは

一度はまると、結構病みつきになるのが世の常。

私も、あれよあれよという間に深みにはまった一人です。
 

で、今回読んだのは

「今ごはん、昔ごはん」(松井今朝子著 ポプラ社)
 

この松井今朝子さんという方

職業は歌舞伎の脚色、演出、評論などを手がげておられる方で

直木賞作家でもある。
 

更に、

ご実家が、京都の老舗高級日本料理店で

食べることにも料理にも貪欲で、知識豊富
 

その松井さんが

食文化の変遷を縦軸に

東西の食文化の違いを横軸に

縦横無尽に、食のことを書かれたのが、この本です。
 

私も京都生まれ京都育ちなので

京都の話はすごーくよくわかるし

東京に出てきたときに感じた文化の違いというのもすごーくよくわかる。
 

ただ、松井さんはセレブなお生まれで、食のサラブレットなので

一般人の私とは、若干感じ方が違うところもあって
 

五月の柏餅は食べたことがなく

端午の節句といえば、川端道喜さんの水仙ちまきだったというのは

さすがセレブ。
 

庶民は、うぐいす餅や、柏餅なども楽しみだったし

お彼岸の頃は、家でおはぎ(せいかくにはぼた餅というのかもしれませんが)も

家で作りました。
 

川端道喜さんの水仙ちまきといえば、裏千家の5月のお茶席には欠かせないもので

私が初めて食べたのは、結構大人になってからのお茶席でした。

今でこそ、予約すればデパートでも買えるようですが

昔は、作られる数に限りがあるので

お茶会でもなければ、なかなか食べられなかったし

ものすごーくレア。

もちろん値段も高い。
 

しかも、お茶席でちまきを食べるのは至難の業で

ぐるぐる巻きにしてある紐をほどいて、

そのひもで一口大に切りながら口に持っていて食べるんですよ、確か

味わうどころか、生きた心地がしません。
 

生きた心地がしないといえば

正月初釜の花びらもちもしかり

中のごぼうが、黒文字で切りにくく、さりとてかぶりつくわけにもいかず

あれも、本当に生きた心地がしませんでした。
 

川端道喜さんのちまきも、花びらもちも

行儀作法など抜きで、かぶりついて食べたらどんなにおいしいやろねえ

と、いつもお茶を習っている友人と言い合ったものです。
 

さてさて、そんな中

おおー、なるほどねーと思ったのは

カツオをからし酢味噌だ食べるという話のところ。
 

実は、私もカツオは、ワサビではなくからしで食べます。

カツオには、からしが合うとずーっと思ってきました。

カツオのたたきを作るときでも、たれの隠し味はからしです。
 

そういえば、一時5年ほど北九州の小倉にいたことがあるのですが

小倉のさば寿司は、しめさばと酢飯の間に塗ってあるのは

やっぱりワサビではなくからしで

しめさばとからしの相性も、めちゃめちゃいいのです。
 

今回この本を読んでわかったことは、

からしの原料となるからし菜は、なんと弥生時代から栽培されていて

その種子を粉にしたものは、奈良時代から作られていたという説もあるとか。
 

わさびが使われ始めたのは平安時代に入ってからで

魚肉の薬味に使い始めたのは室町鎌倉に入ってからだそうで

からしでお刺身を食べるほうが、断然古いのだそう。
 

へ~っ、ですねえ。
 

そんなわけd、今日はカツオのお刺身をサラダ仕立てにして
 

からし酢味噌をかけてみました。

以前タコの怒田を作ったのと、ちょっと似てますが

カツオとからし酢味噌の相性も、めっちゃいいので

ぜひお試しあれ。
 

そういえば、以前奄美大島に行ったとき

奄美では、お刺身に酢味噌をつけて食べるのが一般的で

私も、奄美でいただきましたが
 

これもまた、あの当時の、京都や関西の食べ方が

北前船によって、九州や奄美や沖縄に伝わったのかもしれませんね。

 

いずれにして、一冊の本をきっかけに

自分が当たり前と思っていた食習慣や、食べなれた味が

よその土地では、とっても珍しいものになるというのを知ることは

楽しいことです。
 

小さな島国の日本の中に

なんて多種多様な味覚や料理があるんだろうと思うだけで

興味や、好奇心があとからあとから湧き出てきます。。
 
 
 

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