でいりいおくじょのBLOG

2019.12.12

読書日記「わたしをひらくしごと」

友人や知人が定年退職を迎え始めましたが

フリーランスの私は

ちょっと他人事のように思っていたのです。

 

でも、一般的な定年の年齢60歳は

お勤めをしていようがしていまいが

一度立ち止まって、これからの人生をきちんと考える時なのかなと思い始め

私自身、まだ少し先ではありますが

いろいろ考え始めています。

 

ここ数か月は、とりあえず目の前に目標があったので、それに向けて走っていたんだけれど(京都検定ね)

とりあえず、お祭りは終わったので、

再び、これからの人生と向き合わねばと思い

手に取ったのがこの本。

 

「わたしをひらくしごと」(野村美丘、藤田二郎著 アノニマスタジオ)

 

この本は

肩書があるようでないような仕事をしている人たちの

生き方、仕事の仕方について聞き書きをしているインタビュー集です。

 

この本に出てくる人たちの職業は

ありきたりの肩書でくくってしまうと、ちょっと本質が見えなくなるような仕事。

その仕事の周りにある、一言では言えないような、もわっとしたものを語ることでしか

その職業を定義付けられないような職業の方々なんです。

 

どんなきっかけでその仕事をしようと思ったか、

また、何を思ってその仕事をしているのか

そもそもその仕事って、どんな仕事?

といった質問をしながら、仕事と人の物語を引き出されていきます。

 

まあ、とにかく面白い。

 

その仕事に向かうエネルギーとか、

目指しているものとか

そこにある熱量がとんでもなく大きくて

 

更に、その仕事に就くまでの紆余曲折もすごくて

人や物との出会いの偶然さや

全く違う方向に行ったように見えて、

実は、あの時のあれが今の仕事につながっていく、みたいなことが

想像を超えてる。

 

事実は小説より奇なりとはよく言ったもので

本当にドラマを見ているような展開です。

 

良くそこで、その決心できたねえって

えええ~~っ、そこでそれをいきなりやっちゃう?

他人事ながら感心することも多々ある

 

読んでいるだけでドキドキ、はらはら。

まさに働いて生きることの中には、人の数だけ物語がある。

 

でも、考えてみたら

私自身

知り合いもおらず、山手線さえ知らなかった私が

(もちろん、出版社がどこにあるのかなんて、全然知らなかった)

いきなり東京で料理研究家をやる!

って言って、上京したわけですから

人のことは言えません。

 

自分は前しか見てなかったから、ぜんぜん不安なんてなかったんですが

外から見たら、

どんなに危なっかしく見えていたんだろうって思う。

今更ですが。

 

若いからこそできたね。

 

でも、その一方で歳をとったからこそできることもあると、今は思います。

 

この本を読むと、若いときの、あれほど向こう見ずなエネルギーはないにしても

まだまだ一歩踏み出す力は残っているし

じっくり考えてゆっくる進む辛抱強さは増えている。

 

人の数だけ物語はある。

ここで物語は終わらない。

まだまだ、新しい展開がまっているぞ、私の人生。

 

やっぱ、元気な人からは、元気をもらえる。

間違いない。

 

自分の人生、なんか小さくまとまっちゃって、ちょっとつまんないまあ

って思う時、読み返したら

きっと、心の中にすっと風がふきぬける本です。

 

2019年12月11日わたしをひらくしごと

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