でいりいおくじょのBLOG

2020.02.02

読書日記「街道をゆく34 大徳寺散歩、中津・宇佐のみち」

死ぬまでに読みたい本

この前ラジオで、そんなテーマの話をしていて

タイトルに上がったのが司馬遼太郎の「街道をゆくシリーズ」

 

ああ~~~~~~って、思った。

確かに読んでみたい、

でも、読める気がまったくしない。

なんといっても全43巻

しかも1冊がかなりのボリュームで、文字がびっしり。

 

司馬遼太郎の「街道をゆく」と

塩野七生の「ローマ人の物語」は

 

死ぬまでに読んでみたいけれど、たぶん読めないだろうという本の双璧ですね。

 

とはいえ、街道をゆくの方は、昔ドキュメンタリー映像でやっていたのを全部見たし

何冊か読んだことがあるので

ここは、コツコツ読んでみようという気になっていて

先日大徳寺に行ったことだし、大徳寺の本を読んでみました。

 

「街道をゆく34 大徳寺散歩、中津・宇佐のみち」

 

司馬遼太郎さんが実際に訪れて

その歴史を紐解きながら、感じたことなどを書いておられる紀行文です。

 

前半は大徳寺、後半は中津と宇佐です。

前半と後半は、話が全然つながりはありません。

 

話はあちこち飛ぶものの

どれも、興味深い話が満載です。

 

中でも、一番面白かったのは

大徳寺の中にある真珠庵の話。

ここには一休書の墨蹟がかかっていて

それにまつわる話が、とっても面白い。

 

そこにはこう書かれているんです。

 

諸悪莫作(しょあくまくさ)

衆善奉行(しゅうぜんぶぎょう)

 

唐の詩人白居易が、鳥かという偉いお坊さんに

仏教とは、一言でいえば何なのか

と聞いたところ

そのお坊さんが、言った答えがこれなんです。

 

つまり

悪いことをするな、いいことをせよ

自分の力で自分の心を清める道だと。

 

これを読んだ時

すごいわあ、って思って、ちょっと震えた。

難しく考えるから、難しくなる。

 

難しく考えるから、結局苦しみが増えたりする。

でも、そうじゃなくて

突き詰めて行ったら、こんな簡単なことなんですね。

すごい。

 

ミスチルの“終わりなき旅”です。

難しく考え出すと、結局すべてが嫌になる。

 

簡単に考えたら、生きることは難しくない。

この短い言葉に、深く納得しました

 

それなら…って思う。

 

それなら、料理って何なんだ?

家庭料理って何なんだ?

仏教を料理に置き換えて考えてみた。

 

同じように簡単に考えてみたら

とっても簡単なことだと気づいた。

 

作って食べて、

自分の力で自分を元気にすること。

 

難しく考え出すと、

どんどんめんどくさいことのように思えて、作ることが嫌になるけれど

もっと、簡単に考えればいい。

作って食べて、ちょっと元気になる、それだけでいいんですよ。

 

誰かのために作ることもある。

けれど、誰かが食べて元気になれば、結局自分が元気になる。

巡り巡って、自分を元気にしている。

 

結局家庭料理は、とっても簡単なこと。

 

家庭料理研究家は、その本質を見失わないで

その一番大事なところをきちんと伝えていかなければと思う。

 

肩の力を抜いていいんだってこと。

料理は、誰にだってできて

誰だって、料理で元気になれるってことを伝えたい。

 

偉いお坊さんの言葉は、心の深いところに刺さる。

 

2020年2月1日大徳寺

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