でいりいおくじょのBLOG

2020.10.24

読書日記「「これでいい」と心から思える生き方」

「これでいい」と自分を納得させようと思っても

凡人の私には、なかなか難しい。

でもまあ、そういう場合は、その手の本を読んで

ああだこうだと考えてみるのもいいかと思い、読んでみました

 

「「これでいい」と心から思える生き方」(野口嘉則著 サンマーク出版)

 

正直、「これでいい」と心から思う事なんかできるのか?と思っていたんです。

 

だって、臭い物に蓋をするみたいに

心にふたをして納得させたところで

結局、心の中のもやもやは絶対なくならないもんね。

 

でも、最初のページを読んだだけで、ガツンと来たんですよ。

 

自分が満足した人生を生きるためには

自分という人間の土台をしっかり固めないといけない

そのためには、

考え方とか、思考法の問題ではなく

根本的なところから、自分を確立しないといけない

 

なんでも、心理学者のユングによると

40歳前後の時期を人生の正午と呼び

それを境に前半、後半と分け

前半は自我の確立の時期、後半は自分の無意識に領域を確立する時期なんだとか。

 

それぞれを、きちんと段階を踏んで、成長できていれば問題ないんだけれど

どこかでうまくいっていないと、自分自身を確立できずに大人になっていることがあるようなのです。

 

で、

これを読むとですね

 

例えば自我を確立する最初のステップとして、

自分と他者との間の境界線を明確にすることで、

自分の気持ちや要求を大切にでき

自分が自分であることの確かさや安心感を感じるようになる

って書いてあったんです

 

これね、すごくよくわかる。

 

私は、もともと、自分の気持ちを押さえて、相手に合わせてしまう傾向があり

いつまでも、もやもやうじうじしているような性格だったんですよ。

 

でも、自分なりにいろいろ本を読んで

これではいけないと思って

はっきり意思表示することを意識的にするようになり

ずいぶん、息がしやすくなったんです。

 

だから、この部分、すごーくよくわかるの。

実体験として。

 

腹が立つときは、

ああ、私は腹が立っているという風に、自分で自分の気持ちを認める事

 

ああ、私は悲しいんだとか、ああ私は悔しいんだとか

自分の中で、自分の気持ちときちんと向き合うことが、最初のステップ。

 

そんなの当たり前だと思う人もいるかもしれませんが

これができないから、苦しい場合がある。

 

私自身、いまだにそれが上手にできない時もあり

自分の内側の世界でパンパンになってしまう。

 

この本にも、これを口に出していってみるといいって書いてあるんだけれど

口に出してみると、確かにそれだけで、心が軽くなる。

早い話、ガス抜きね。

これ本当に効果的。

ウソみたいだけれど、やってみる価値ありです。

 

自分の気持ちを客観的に見ることで

他者と切り離して自分を見つめることができ

自分自身に対して、怒ってもいいよ、悲しんでもいいよ、って思うことができるんですよ。

 

そういうことが、当たり前にできる人から見れば

いったい何やっているんだろうってことかもしれませんが

自我を確立するための、

それが最初の一歩だそうです。

 

この本には、そのあとのステップと

人生の後半の、無意識の領域を確立していく方法がかかれていています。

 

たくさんの本が紹介されていて

その本からの引用もたくさん載っていて

読んでみたいなあと思う本もたくさんありました。

 

私の大好きな茨木のり子さんの詩も紹介されてました

******************

あらゆる仕事

全てのいい仕事の核には

震える弱いアンテナが隠されている きっと・・・

******************

 

この一節が、大好きです。

震える弱いアンテナ・・・いい言葉だなあ。

震えていて、弱い。

強くなるために、それをすぐに捨ててしまいがちだけれど

強さの裏には、震えていることも、弱いことも必要なんだ。

 

人生に起こることは、何一つ悪いことはない

 

その時には最悪の事と思えることも

後になって振り返ってみれば、あの時のあれのおかげで今がある

と思える。

 

そういう風に、気持ちの転換ができるかどうか

自分自身の根幹にきちんとしていれば、そうなれるんだと思います。

 

心のもやもやを持て余している人に、おすすめの一冊です。

 

2020年10月23日本

 

コメント

  1. コト より:

    奥薗さん、こんばんは。
    いつも楽しく拝見させてもらっています。

    奥薗さんの感想を参考によく本を購入していますが、今回のこの本はわたしにもビビビ!ときて、先程ネットで購入しました。
    読むのが今から楽しみです。

    強さの裏には、震えていることも、弱いことも大切なんですね。
    心にじーんと響く言葉です。

    1. 奥薗壽子 より:

      この本は、とてもいい本でした。おすすめです。
      著者自身が、多くの葛藤の中で悩み苦しんでこられたからだと思いますが
      一つ一つの言葉に優しさと温かさがあり、それだけでも心が癒されます。
      たくさんのいい言葉にも出会えますよ。

  2. みずしま より:

    震える弱いアンテナ
    忘れていた感覚です。
    また意思表示なしに生きる癖がついていて受身で流され楽な反面
    澱んでいく胸のうちに向き合うのがしんどいです。
    どんどん腐敗していくような、熟成ならいいてすが。。。
    奥薗先生も葛藤し内面を鍛えられているんだなぁと
    身近な味方なような気持ちになりました。

    1. 奥薗壽子 より:

      日々、葛藤しています。
      でも、葛藤しつつ、少しでも前向きに生きたいと思っています。
      コンプレックスもたくさんありますが、
      そういうものとうまく折り合いをつける方法を、日々模索しています。

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