でいりいおくじょのBLOG

2019.11.04

映画日記「モリのいる場所」

最近、樹木希林さんの出ておられる映画をずーっと見ています。

この映画は、2018年の作品ですが

気になっていたものの見たことがなく、ようやく見れました。

 

最初に、感想を言っちゃうと

本当にいい映画でした~~~。

 

山崎努さん演じるモリさんは画家で(94歳)

木々が茂る庭のある家から、もう30年も外に出ないで暮らしています。

 

広い庭にいる、植物や虫や鳥や猫や魚たちと一緒に、同じリズムで暮らしているんです。

 

家には、いろんな人がやってきて

その人たちとご飯を食べ

奥さん(樹木希林さん、76歳)と碁を打つ

夜になると、学校へ行くと言って部屋に入り絵を描く。

(学校に行きたくないなあっていうのが可愛い)

 

モリさんの庭に生態系が出来上がっているのと同じように

モリさんの暮らしの中にも、生態系が出来上がっているようで

毎日、毎日同じことの繰り返しなんだけれど

毎日、毎日、やっぱり別の一日なんです。

 

モリさんの描く絵は子供の絵みたいで

みんながモリさんに字や絵を描いてほしいと頼みに来るの。

 

 

 

ある時、モリさんに自分の子供の絵をモリさんに見せて

才能があるかどうか聞いた人がいて

その絵を見てモリさんはこういうの

 

“下手だ。”

“上手は先が見えちまいます、下手も絵のうち”

 

このセリフはやられました。

モリさん、すごい。

 

また、別のシーンで

モリさんと奥さんが碁をやっていて

いっつも奥さんが勝つんだけれど

そのときモリさんが奥さんにいうの

“猛獣みたいに、勝とう勝とうとしている”

そしたら奥さんがこう返すの

“それは弱いからです”

 

モリさんもいいけど、奥さんもいい。

本当にいい夫婦。

 

すぐ近所にマンションが建って

モリさんの家に日が当たらなくなるんだけれど

そんなことで少しも動じないモリさん

 

小さくても、日の当たる場所があれば

そこにまた、小さな生態系はできていく。

 

ついつい、上手にやろうとしてしまう。

ついつい、いいかっこしようとしてしまう。

 

ありのままでいればいいのに

それができないのは

自分の弱さだとわかっているけれど

その弱さから目を背けている。

 

えてして、外にいる何かと必至で戦い

へとへとに疲れてしまいがち

本当に戦わないといけない相手は、常に自分の中にいる。

 

というか、何も戦う必要なんてなくて

自分の中にも、本当は平和な生態系が作れるはずなのに

勝とう、勝とうとする猛獣を自分で作っている。

 

うまく生きようとすれば先が見える。

ありのままを受け入れたら、もっと自由に生きられる。

 

それはなかなか難しい

モリさんみたいには生きられないけれど

少しでも、そこに近づけたらいいな、それは理想だな。

 

それにしても

山崎努さんと樹木希林さん

このお二人の演技がすごすぎました。

 

モリ

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